satoyamanekokunのブログ

猫たち、お酒、山に虫、神社仏閣、全くまとまりのないブログですいません。

死ぬまで山歩き(3)

今年は春先から登山道も釣り場も、いたるところが閉鎖されてしまいました。登れるようになったからと言って、登山者が渋滞するような山にも行きたくはないし、いつも一緒に同行してもらっている会社の友達と連絡をとりました。

 

9月の4日連休の2日目、道の駅「ヘルシーテラス佐久南」で待ち合わせ、天気はいま一つかもしれないけど明日は、夏休みが終わった息子を長野市で送って行かなくてはいけないし、今日しかなかったのです。

 

お互い運動不足なんでとか言いながら、どちらからともなく「奥秩父山系」「千曲の源流」から「甲武信岳」「金峰山」「瑞牆山」なんて行きたい方向が絞られるや、とりあえず「千曲の源流」から「甲武信岳」を目指そうということで意気統合しました。

 

ところがです。登山口の駐車場に到着して、支度をしているとすっかり降り出してしまいました。仕方なくカッパを着こんで歩き始めました。

 

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ここは、浅間山麓の「池の平湿原」と並び、自分が山に登り始めるきっかけにもなったところです。当時は渓流釣りにはまっていたころ、釣りの本に紹介されていたのがきっかけで、ここに行ってみたいと思いました。当時は登山靴などなかったので、長靴を履いて出かけてきました。当時は駐車場も登山道も整備されていませんでしたが、それがまた野趣があって良かった気がします。

 

ここを訪れるのはかれこれ7回目になると思います。甲武信岳は今日登れれば2回目です。

 

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毛木平の花の終ったマルバダケブキの群落です。花の盛りはこれは見事な光景といえると思います。同時に珍しいチョウたちも訪れていたことでしょう。花の盛りの時期にここだけ訪れてみるのも楽しいと思います。

 

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千曲川の源流を左手に見ながら進んでいきますが、暑い時期は冷たい源流のマイナスイオンが疲れた体を癒してくれます。

 

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登山道のわきには、早くもこんな子たちが顔を出していました。写真だけ収めて先を急ぎます。多分、友達は自分が道草ばかり食っているからペースを乱されて歩きずらいだろうなと思いながら、これが自分流の山の楽しみなのでお許しください。天気が良ければ今日も、珍しいチョウに会えることを期待していたのですが、この天気ではそちらの望みはあきらめることにしましょう。

 

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一枚岩をすべるように源流が流れる「ナメ滝」です。ここを一気に上るイワナを見ることもあるようです。

 

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去年の台風19号の傷跡もいたるところにあります。

 

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ちょっと小腹が空きました。

 

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途中から雨も上がって、カッパも下だけ脱ぎました。そして、水かさがすっかり少なくなって来たのを感じるともうじきです。

 

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そして、しばらくすると「千曲川信濃川水源地標」が見えました。ここまではまずまず順調だったといえます。ダケカンバの根元から湧き出ている水が正に「千曲川」の源流となる湧き水です。いずれ支流の水を集めて、日本海にそそいでいるのかと思うと感慨深いものがあります。

 

とりあえずリュックを降ろして、冷たい源流の湧き水をいただいて元気のあるうちに上を目指すことにしました。多分ここから順調にいっても1時間は覚悟しました。

 

流石にここからは勾配がきつくなります。「まだか!」と思っているうちに稜線に出ました。

 

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時間と体力さえ許せば、この稜線を右に行って「国師ヶ岳」に奥秩父の最高峰「北奥千丈岳」にも縦走してみたいところです。

稜線はしばらく疲れを忘れさせてくれましたが、またもや次第に勾配がきつくなってきました。

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そして、この岩場と思いきや意外と呆気なく三角点が見えてきたのには驚きました。

 

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1時間は覚悟していましたが、15分早く着きました。ここでお昼にしたのが幸運だったのかもしれません。少し霧が晴れて青空も見れました。

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稜線の先には、更に天気が良ければ奥秩父山系の最も西の峰々「国師ヶ岳」「北奥千丈 岳」「金峰山」が望めるのだと思いますが、雨が上がっただけでもご褒美だと思って感謝しましょう。

 

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サンゴのように、見事に岩に貼りつくように生えているのはコメツツジでしょうか。温暖化の影響で個体数が減ってきていると聞きました。

 

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帰りも道草ばかり食っていました。当たり前ですが、人も分け入ったことのない原生林が続きます。

 

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この辺りには、天然のアセビが群生しています。というか山全体をアセビが覆っているという感じです。

 

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自分が登り始めた頃、この辺りのカラマツは背丈ほどもありませんでした。長い月日が流れたことを感じさせてくれる大事な場所のような気がします。

 

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帰りは足がガクガクになりながらも、明るいうちに登山口の毛木平に到着しました。いつ来てもひたすら遠いですが、自分が山登りを始めたきっかけにもなった場所の一つなので、いつ来てもいいところです。

若い頃は、北アルプスの種池山荘で既に夕刻、明日は用事があるので柏原新道を扇沢まで一気に駆け下りたこともありました。

しかし、若い気になってそんな無茶をしてはいけません。自分の体力に合わせて人に迷惑をかけないように、余裕を持って楽しみたいと思います。またいつかこの地に来れることを楽しみにブログを更新してみました。

 

 

 

 

暇さえあれば虫探し(8)

今年はすっかり運動不足です。この日は高原のチョウたちに行き会いたくて、浅間山麓の「池の平湿原」に出かけてみました。

東御市側から林道を行くと、朝のしっとりした空気の中でヤナギランもまだ咲いていました。スキー場を過ぎたあたりでいました。いました。少し大型で風に乗って優雅に飛ぶこのチョウはアサギマダラに間違いありません。

二頭見つけましたが、写真が撮れたのはこの一頭だけでした。

 

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そして「池の平湿原」駐車場に到着しました。早速、駐車場で出迎えてくれたのは、最近家の近くでは見なくなったクジャクチョウです。残念ながら写真は撮れませんでした。

たくさんいた小型のこのチョウは、オオチャバネセセリでしょうか?必死で蜜を吸っている様子がかわいいですよね。右下のハナアブは、モコモコで羽根がちょこっとついていて何とも愛嬌があります。

 

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これより湿原に向かいますが、あまりにも久しぶりで逆コースを行ってしまいました。

慌てて戻りました。

 

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高原は早くも秋の気配ですが、今日はタイミングが良かったと思います。

 

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いつ来ても天国のようなところです。

 

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いましたベニヒカゲです。マルバダケブキの花の蜜を吸っています。地味なヒカゲチョウとジャノメチョウの仲間では、蛇の目の周りに鮮やかな朱色をあしらったかわいいチョウです。中央アルプスにはベニヒカゲとクモマベニヒカゲの双方が生息しているということですが、浅間山麓にはクモマベニヒカゲは確認されていません。

 

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少し汗をかいたりすると、平気で人にも接近してきてくれてかわいいチョウです。

また、動物の糞に群がっている様子を見ることもあります。

 

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こちらは、ミヤマアキノキリンソウを訪れていました。

 

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マツムシソウとベニヒカゲ

 

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ミネウスユキソウでしょうか?こちらの後ろ羽根の色の薄いところが鮮明な個体がメスだということです。

 

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木道わきのマツムシソウを訪れている小型のヒョウモンチョウはコヒョウモンでしょうか。

 

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ベニヒカゲとコヒョウモン仲良くマツムシソウに寄ってきました。こちらのベニヒカゲは二頭ともオスですかね。立て続けに写真を撮りすぎて、スマホの動作がすかり怪しくなってきました。おまけにアッチッチです。

 

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シャクナゲの間に咲いていたマツムシソウを訪れているコヒョウモン。

 

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今度はクジャクチョウも見つけましたが、この画像を撮るのがやっとでした。

 

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三峰ヶ峰でお昼をいただこうと思ったとき、俊敏に飛び回っていたこのヒョウモンチョウは、この距離では判別しにくいですが前羽根の形からしツマグロヒョウモンのオスだと思います。

 

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お昼をいただきながら蓼科山方面を見ると入道雲が発達しています。予想通り家に帰ると雹混じりの激しい雷雨になりました。

 

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名残惜しいけれども、まだ行きたいところがあるのでこちらはそろそろおいとまします。

 

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林道のゲートのすぐ脇にヒヨドリバナの群落があって、またまた運よくアサギマダラに行き会うことができました。

 

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何と、このヒヨドリバナの群落に七頭もいました。アサギマダラはこのヒヨドリバナが好きですが、この花たちも、もうじきに終ると思います。その頃はまた暖かい南国に長旅をするのでしょうか。この小さな体に秘められた本能と体力に驚かされるばかりです。

すっかり時間も忘れて眺めていると、急に暗くなってきたと思うと雷が鳴りはじめました。この後、湯ノ丸の湿原にも行きたかったのですが、もうすぐ雷雨になりそうなので今日はここで行き会えたチョウたちを記録に残したいと思います。

化石採取記録(1)

いつも読んでいただいている皆さん大変ありがとうございます。虫の話だったり、お酒の話だったり、なんと纏まりのないブログですいません。

 

中学の頃、地学クラブに入部していました。放課後、近間にみんなで化石採取に行ったり、夏休みもみんなで顧問の先生の自動車について、自転車で化石採取にいきました。

数年前から、そのころ行った場所に行ってみたいと思いついて、またもや化石好きの本能が芽をもたげてきてしまいました。

 

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採取した標本をただ持っていてもたいした意味もなくて、興味のない人から見ればただの石ころに過ぎないでしょう。そんな訳で、詳しい方に見ていただいた標本を整理しておきたいと思います。

 

こちらは「ツキガイモドキ」という貝だそうです。殻頂部を上にして垂直に中心線を引いてみると、左右の幅がほぼ同じになるということです。「内山層」という泥質砂岩で約2000万年前の浅海の貝類だということです。

 

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2009年3月8日 採取

 

同じく、「内山層」の同じ年代の貝類ですが、「シラトリガイ」だということです。

「ツキガイモドキ」に比べると、全体に平べったい感じでやや小型でしょうか。殻頂部を上にして垂直に中心線を引くと左右が7:3程の割合になるということです。

 

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2013年3月30日 採取

 

細長い巻貝は、「キリガイダマシ」という貝のようです。

同じく、「内山層」の同じ年代になるということです。二枚貝に比べて数は圧倒的に少ないと思います。

 

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2009年3月8日 採取

 

こちらも2009年3月8日に同じ採取地でみつけました。こちらは植物の葉だということですが、これだけではどんな植物なのかまでははっきりしないようです。

 

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2009年3月8日 採取

 

こちらは、砂岩の「駒込層」という地層で、「内山層」よりは新しい時代の地層だということです。自分は木の枝のようなものかと思っていたのですが、こちらは「マテガイ」だということです。

 

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2018年11月23日 採取

 

採取地は同じですが、 まだ調べてもらっていない標本です。

「バイガイ」とか「タニシ」に似たような、だいぶ丸みを帯びた巻貝のようです。完全な形ではないので、どのような貝類なのか判別出来るかどうか少々心配です。

 

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2019年3月23日 採取

 

同じく「内山層」で採取したもので、「ツノガイ」の仲間だということです。茶色く変色しているところは、自分がハンマーをあてた時の鉄分が時間とともに変色したようです。

 

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2009年3月8日 採取

 

14500万年前~6600万年前の中生代白亜紀は、「内山層」より更に下層の「初谷層」があり、500万年前~258万年前は「駒込層」より新しい「八重久保層」という層があるそうです。ここまでがこの地域一帯が海の底だった頃の地層だということです。

 

258万年前以降は、この地域一帯は湖の底だったようです。地層は「兜岩層」「相浜層」と続くということです。「兜岩層」からは、温帯から亜熱帯の植物を中心に昆虫やカエルなどの化石が産出されるようです。

「相浜層」からは、植物の化石とともに、まれに昆虫の化石もみつかるようです。

 

 

農作業の合間にも虫たちを追いかけたり、なかなか化石の採取には時間がまわりませんが、とてつもない地球の歴史には驚くばかりです。自分は個人的に楽しんでいるに過ぎませんが、農作業も片付いたころにはまだ見たことのないものをみつけに出かけてみたいと思います。

 

夜、車を止める美女

今週のお題「怖い話」

 

 「上州村のことじゃった・・・・。」は、あるCMになってしまいますが、群馬県下 仁田町のお話です。

 

 今から35年ほども前のことになると思います。自分が22年務めた前の会社の高崎の工場に、一年間教育で行っていたころ聞いたお話です。

 

 群馬県 下仁田町から長野県 佐久市につながる国道254号線は、今では広くて良い道路になっていますが、当時は、下仁田町を過ぎると急に狭い道路になってしまうのです。

 週末は実家のある佐久市に帰るのですが、1日終えて帰るとこの辺りを通る頃はすっかり暗くなってしまうのです。

 道が細くなってしばらく進むと、赤い橋があってそこだけ何故か街灯があるのですが、何も知らずに通っても何とも心細くなる風景です。実は樹木に隠れて見えないのですが、この橋の下は深い谷になっているのだそうです。

 この辺りに差しかかると、ラジオも音楽も心細くなって息を殺して通っていた覚えがあります。当時、アマチュア無線に夢中になっていましたので、関東エリアの皆さんと交信しながら運転していたのですが、この辺りに来るとロケーションが悪く、関東エリア、信越エリアの無線局とも交信できなくなってしないます。

 

 これは地元の友人から聞いた話なのですが、夜この赤い橋に若くてきれいな女の人が立っていて、通る車を止めて「〇〇まで乗せて行って下さい。」と丁重にお願いするのだそうです。遥か前に聞いた話ですので、流石にその地名は忘れてしまいました。

 運転者はその目的地を通るか、若しくは近くに行く場合は親切に乗せてあげるのですが、しばらく進むとルームミラーに移っていた女性の姿は消えていて、女性の座っていた座席が濡れているのだそうです。

 

 そこまでは、よくある話だくらいに思っていたのですが、高崎の社員寮で一緒に教育を受けている同僚たちと、夜一杯飲みながら怪談話で盛り上がったことがありました。そこで驚いたのは全く同じ話をこの晩、群馬県に住んでいるこの同僚から聞いたということです。

 こういうことが起きるようになったのは、ある事故が起きてからなのだそうです。群馬県側から車を走らせていた若い女の方が、その橋辺りにを通りかかった時、ハンドル操作を誤って深い谷に転落して亡くなってしまったのだそうです。

 

 その女性が群馬県からどこに向かっていたのかは知る由もありませんが、あまりにも無念でお気の毒に思ってしまいます。「南無阿弥陀仏」「南無阿弥陀仏」合掌

 

 

人から聞いた話ばかりですが、この話をしてくれたこの同僚から聞いたもう一つの話です。

 釣り好きの友達がいて、夏になると利根川にアユ釣りに行っていたときの出来事なのだそうです。

 葦が背丈の2倍以上もはびこる、自分だけが知っていてめっぽう釣れる場所があったということですが、その日も朝から好調で型のいいアユがたくさん釣れていたということでした。

 天気は良かったのに、急に辺りに霧がかかって陽はすっかり隠れて、ひんやり感じたということです。しばらくすると、水辺の方から「ガシャ!ガシャ!」という音が聞こえて、徐々に近づいて来たということです。その友達は怖くなって、霧の中に目を凝らして透かすように水辺を見ると、甲冑姿の武将達がその友達のほうに向かってくるのだそうです。その友達は、慌てふためいて転がるようにその場から逃げたということでした。

 しばらくして霧も晴れたので、大事な道具もすっかり置いて逃げてきたので、恐る恐る釣り具を持ちに戻ってみると、あれほど釣れていたオカンの中のアユは一匹もいなかったということです。

 

 

暇さえあれば虫探し(7)

しゃがみ込んで草むらにスマホやデジカメを向けていたり、雑木の幹をジッと睨み付けていたり、花に止まっている虫を見てニヤニヤしているオッサンがいたら、けして変質者ではないのでそっとしておいやって下さい。変質者ではありませんが、少し変わっているオッサンかも知れないですね。(これは紛れもなく自分のことです。)
今年は梅雨明けが待ち遠しかったですね。昆虫たちはもっと待ち遠しかったに違いないと思います。
少し雨が止むと待ってましたとばかりに チョウが花を訪れたり、セミが鳴きはじめたり急ににぎやかになってワクワクします。

7月12日久しぶりに晴れ間が出ると、庭のキリンソウを訪れたメスグロヒョウモンのオスです。


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すぐ近くのミズヒキの葉に止まったかわいいチョウはコキマダラセセリでしょうか。セセリチョウの仲間は小型で地味ですけどかわいいチョウです。


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 メスグロヒョウモンのオスがいるのだから、メスもきっといると思うのですがかなか見かけません。8月1お墓参りに行って、家に戻るとリョウブの木の周りがにぎやかです。ヒョウモンチョウが何頭かリョウブの花に訪れていました。



その中に、黒地に白い模様がくっきり見える個体が1頭いました。一見イチモンジチョウかなと思いましたが、飛び方も模様も明らかに違います。ソーッと、近づいて見ると、イチモンジチョウではありませんでした。 メスグロヒョウモンのメスです。ヒョウモンチョウはその名の通り、ヒョウ柄が特徴的なチョウなのですが、メスグロヒョウモンのメスは到底ヒョウモンチョウの仲間とは思えない色彩のチョウです。画像はとてもとてもいまひとつですが、やっと撮ったのがこの一枚です。


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 この木の隣にはシナノキがあって、その花にもたくさんのチョウが集まって来たのですが、老木になって道路側に傾いて行って危ないので丁重にお清めしていただいて切ってもらいました。このリョウブの木もあまり大きくならないように気をつけていたのですが、たくさんのチョウたちが来てくれるので大切にしたいと思いました。


以前、子ども達がカブトムシやクワガタを採りに来ていた、クヌギやコナラなどの雑木のある場所を思い出して振り替えで休日になった7月31日、これこそ「虫の知らせ」のごとく立ち寄ってみると、いましたいました、オオムラサキが2頭発酵した樹液に来ていました。この大きさに羽根を広げた時の紫色は実に見事です。そして、全身が見事に緑色に輝くアオカナブンがいることも忘れてはいけませんね。


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 なかなか羽根を開いてくれないのでジッと見つめていると更に幸運が訪れました。なんとコムラサキが突然飛来してきてくれたのです。たぶんこのチョウに行き会ったのは小学校の頃以来になると思います。家の近くの雑木林にクワガタを採りに行くと、クワガタのほかにこのコムラサキアオカナブンオオスズメバチがいつも樹液に集まって来ていました。


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8月1日もお墓参りの帰りに寄ったのですが、この日は雑木にチョウの姿はありませんでした。車を降りて歩き出すと黄土色に黒い斑点、前羽根の先が黒いチョウが飛び出しました。時々草地に止まるのですが、警戒心が強くてなかなか近づくことができません。何とか撮った1枚がこの画像ですが、見る人が見ればツマグロヒョウモンに見えなくもない程度の画像です。いったいどっちを向いて飛んでいるのやらさっぱり分からないといった感じです。


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 それからは毎日のようにどんな昆虫たちが来ているのか考えると、気が気ではなくて暇さえあればこの場所に来ていました。後日、8月2日の朝は更にたくさんのチョウたちに行き会うことができました。

オオムラサキのオス・メス にスミナガシ、ルリタテハそしてアオカナブンシロテンハナムグリでしょうか。


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写真を撮りながら見入っていると、なんとスミナガシが自分の右腕に飛び移って来てくれました。これには驚きました。スミナガシは羽根の表もきれいですが裏もきれいなんですね。逃げられないうちに画像を撮りたかったのですが、これを撮るのがやっとでした。


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 後日、8月6日も仕事帰りにいつもの場所に立ち寄りました。メスのオオムラサキは頻繁に羽根を開いて樹液を吸っていることが多いのですが、オスはなかなか羽根を開いてくれません。この日はきれいなオスの画像も撮ることができました。そればかりかオスの1頭が自分の左腕に飛び移ってきてくれました。なんとこの日は、オス・メス合わせて7頭のオオムラサキに会うことができました。そして、近くのクヌギの木にはミヤマクワガタがいました。


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 そして、お盆休みに入って2日目の8月10日、最近見かける機会が少なくなったような気がします。ヤマキマダラヒカゲに行き会いました。オオムラサキルリタテハ、羽根もだいぶ痛みもありますがとても見事な色彩の昆虫たちです。


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 朝も早くから畑に出かけると、東の空がとてもきれいな朝焼けに染まる日もあります。そして保護猫の「ハンちゃん」が手伝いに来てくれます。「ハンちゃん」と一緒に箱詰めして集荷場に行った帰りは、時間さえあれば虫探しをして帰ります。今年は梅雨明けが遅くて各地で大雨による被害も尋常ではありません。被災地の皆様には謹んでお見舞い申し上げます。

 梅雨明けと同時に恐ろしいほどの猛暑に見舞われています。自分たちが子どもの頃は、真夏とはいってもこれほど異常な暑い日はなかったように思います。これも自分たち人間が環境を考えずに経済や便利さを追求した結果ではないかと感じることがあります。絶滅危惧種と呼ばれる昆虫や植物がこれ以上増えてしまわないよう、環境にやさしい生活を心がけたいと思うこの頃です。

お酒の話(3)

関東甲信地方も昨日梅雨入りしました。毎年楽しみにしている山菜の時期もあっという間に過ぎてしまいました。

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下の子も一生懸命勉強してやっと入学と同時に入寮して行ったのですが、1週間でまたもや休校になってしまいました。

高校入試前の政府の発表した突然の休校は本当に迷惑極まるものでした。聞けば内閣府に首相とほんの少人数で決めていたということのようです。こんな大事なことを小手先でちょこちょこ決められては、国民はたまったものではないです。

小さい子のいる家庭は本当に大変だったと思います。そんな内容の話ですから例によって議事録も残っていないということです。

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長い休校の末、やっと6月から授業が再開しました。5月31日は荷物を持って皆で長野まで送って行きましたが、その日は家族でも寮に入ることも出来ませんでした。



そんな訳で午後は帰りの時間にも余裕がたっぷりありましたので、蔦屋に寄ったり、向かいのパン屋さんでパンを買ったりしながら長野東インターに向かいました。自分も飲んだことのないお酒を見つけたいと思って西友に寄りました。

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買っていただいたうちの一本は、長野市 の 株式会社 今井酒造店さんの「若緑」特別本醸造酒です。精米歩合59% アルコール度数14度 銘柄がそのまま香りになったような爽やかで華やかな香りに、驚くほどすっきりした口当たりでとても飲みやすいお酒でした。
やや辛口だと思いますが、心地よい甘みが続く気がします。美味しい湧き水を飲んでいるような、全く新しい感覚のお酒に出会った感じがします。

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もう一本は、須坂市の株式会社 遠藤酒造場さんの「渓流」しぼりたて生原酒です。アルコール度数20度 何しろ「しぼりたて」「原酒」「限定品」というラベルを見るとついつい手が伸びてしまいます。ひかえめな華やかな香りに、「しぼりたて」「生原酒」という類のなかでは、珍しく辛口だと思います。そして、ずっしりとした美味しさが口に広がります。アルコール度数が高いので、ロックも美味しいと思います。

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こちらは、上信越自動車道の東部湯の丸
サービスエリアで一休みして買っていただいたお茶です。ありがたくて美味しいお茶でした。

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こちらは久しぶりに早く帰れた日、寄り道をして買ったうちの一本、飯山市の株式会社 田中屋酒造店さんの特別純米酒「水尾」です。昨年の台風19号で被災したにも関わらず、頑張って機能する範囲で酒造りを続けたということです。

飯山市役所も1階が浸水して、2階に梯子をかけて出入りしたということです。何も出来ませんが、お酒を買わせていただいて応援したいです。
精米歩合59% アルコール分15% 癖がなくて美味しい、すいすいねめてしまいます。爽やかな甘みと酸味にわずかに苦味を感じるのは、体調の性かもしれません。水尾山の湧水を仕込み水に使用していることから「水尾」という銘柄になったのでしょうか?ラベルの文字が大好きです。尚、使っている酒米がまた珍しいです。お隣の木島平村産の希少種「金紋錦」というお米だということです。

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一緒に購入したもう一本は、地元の株式会社 土屋酒造店さんの「亀の海」純米吟醸 無濾過原酒です。華やかで爽やかな香りに、やや白濁したところが「無濾過」という表現にピタリと当てはまる気がします。精米歩合59% アルコール分 17度
正にしぼりたての原酒をそのままいただいているようです。


表示が「アルコール度数」だったり、「アルコール分」だったり、「〇〇%」または「〇〇度」だったりしますが、全く同じ内容なのでラベルに表示されている通りにしておきます。

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自宅からいちばん近い酒蔵で、地元では「声は鶯、酒は初鶯」で有名な木内酒造株式会社さんの「初鶯」特選生一本 純米吟醸酒です。精米歩合55% アルコール分 14度以上15度未満 ほのかに酸味を感じる上品な果実臭にわずかに穀物臭も感じる気がします。どちらかというと辛口で飲みやすいお酒です。何ともめでたいイメージの銘柄だという気がします。

まだまだ他県に出かけるような行動は慎まなければいけませんが、休日は畑仕事かせいぜい散歩に出かけるぐらいで登山口も閉鎖されてしまいました。そろそろあまり混みあわないようなところに出かけてみたい気もします。そんな折には是非その地の地酒を買って帰って、その地の歴史や風土に思いを馳せて味わいたい気がします。

お酒の話(2)

季節は駆け足で進んでいるのですが、何とも恐ろしい新型コロナウイルスが世界中を脅かしています。
こんな事がなければとてもいい季節なのですが、外出もままならないので仕方がないですね。
4月12日の信濃毎日新聞の「斜面」に、5年前国際宇宙ステーションに到着した宇宙飛行士油井亀美也さんが、地球を見て「きれいで言葉が出ない」と表現したそうです。帰還後の寄稿では、「地球は非常に美しいが人類の活動に疲れてしまっているようにも思えた」とも表現ていました。年々大きくなっていくオゾンホールに、小さくなっていく氷河、毎年どこかで発生する大規模災害、感染症は環境破壊ですみかを追われた野生動物が人類と接触することで起きるとも言われているようです。今、世界中を脅かしている新型コロナウイルスも限界に達した地球のうめき声かもしれない。という後半の一部を抜粋しました。
本当にその通り、もう誰もが見てみないふりをしている場合ではない、危機的な状況なのかもしれません。


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それでも、5日間だけ休みになった連休も畑仕事に家の片づけやらで、もちろんできるだけ外出しないように過ごしていましたが、会社の友達から電話が来て山菜採りに連れてってほしいということで、なんだか忙しくて自分もまだ様子も見に行ってないし、家の周りの里山なので人に迷惑をかけることもないと思うので、翌日半日だけ初夏の里山を歩きました。
何とも言えない気分転換になって楽しかったですね。そして、いつも手土産に美味しいお酒を持ってきてくれるのです。今日採れた山菜といただくとそれはまた格別な思いがします。
いただいたお酒は、「浦霞 辛口」精米歩合65%  爽やかなフルーツの香りにほんのり穀物の香りも感じました。すっきりとした飲み口に熟成された深みも感じる辛口のお酒です。燗にも向いているようです。


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ラベルの写真も大好きな長野県池田町の大雪渓酒造株式会社さんの定番「蔵出し 大雪渓」です。池田町というと農大の同級生がおりますので、思い出深いのですが、秋日ごとに紅葉の色が変わっていく樹齢250年以上といわれる、大峰高原七色カエデなどの名所もありますし、いつかゆっくり行ってみたいところです。
ラベルに「山の酒」と書かれていますが、文字どうり北アルプスの長野県側の山小屋に泊めていただいて、夕食のときお酒をお願いするとこちらの「大雪渓」か「白馬錦」を出してきてくれます。
早朝から一日歩いて、夕食前に周りの峰々を眺めながらいただく一杯は全身に染み渡る思いがします。

ほのかな酸味にほのかな甘み、どちらかというと辛口だと思います。すっきりとしたやさしい味ですが後味の良さがいつまでも残る感じがします。


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先日、久しぶりに佐久平イオンモールに買い物に行って、お酒のコーナーを見てみるとありました。
この時期だけ並ぶ「氷雪貯蔵酒」です。本数も限られていますので、どうしてもいただいてみたくて2品目買ってもらいました。
蓼科山山麓の標高1850mの雪中で熟成貯蔵された、大澤酒造株式会社さんの氷雪貯蔵純米酒「大吉野」です。
精米歩合60% アルコール分17度以上 18度未満 やや華やかな香りとわずかに酸味を感じさせる香りが伝わってきました。
僅かに活性酵母のような舌ざわりを感じました。まろやかな熟成感と極々ほのかな苦みと酸味がこくの深さを感じる一品です。


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隣り合わせで並んでいたのは、黒沢酒造株式会社さんの氷雪貯蔵酒純米原酒「井筒長」です。
精米歩合65% アルコール分17.5度  佐久穂町 八千穂高原の白樺林の最高地点、標高1700mに大きな雪室を作って秋に仕込んだお酒を寝かせたということです。
ほのかでやさしい香りにすっきりした酸味と控えめな甘さという感じがします。アルコール分17.5度は少し高めですが、のどごしが爽やかなのでとても飲みやすい一品といえます。


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二本並ぶと兄妹または姉弟のようです。


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株式会社 古屋酒造店さんの精選「深山桜」を久しぶりにいただきました。精米歩合65% アルコール分15度 深山に人知れず咲く大木の山桜を思い浮かべるきれいな銘柄だと思います。実際の由来は、皇女和宮の行列が歴史の道、中山道を往った頃、弁財天の森を後ろに抱いて「青葉まじりにみずみずしく咲く深山桜」とうたわれた酒蔵が生まれ、今に地酒を伝えている。
ラベルに表示されていると通り、やや辛口、やや淡麗とありますが、くせがなくて飲みやすく後味は爽やかな酸味と甘みがほのかに残る感じがしました。またどんな料理にも合う感じがします。かれこれ30年ほども前のことでしょうか、寒造り 蔵出し「生原酒」という銘柄をすすめられていただいたことがありますが、とても美味しかったことを覚えています。


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この置物は今はなくなってしまいました佐久市内のショッピングモールで、中国物産展のような催しが開かれていた時にこの老人の表情が好きで買いました。
「少しの喜び」というようなテーマが、中国語で貼ってありましたが既に剥がれてしまいました。旅の途中でしょうか、少しお酒を買って旅の疲れを癒しているところだという気がします。


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子供たちも新しい生活に期待も不安も抱えて進学・進級したのですが、2か月以上も家で過ごしています。単純に入学を9月にすればいいというような問題でもありません。
台湾・韓国では感染者数を減らすことに成功しています。ここにきて韓国ではまた感染者数も増加しましたが、それまでは確実に感染者数を減少させるべく努力していたはずです。自粛・自粛も大切ですが、台湾・韓国の手法に学ぶことも多いはずです。サービス業で仕事がなくなってしまった方々も大勢います。こんな時に「検察庁法改正案」など審議すべきこととは思えません。「政治倫理綱領」の原点に返って、新型コロナウイルス対策に集中していただきたいと切に願う思いです。