satoyamanekokunのブログ

猫たち、お酒、山に虫、神社仏閣、全くまとまりのないブログですいません。

厄介な生き物たち

今年度、区長という大役を引き受けることになりました。と言っても総会で推薦されたとか、選挙で選ばれたわけではなくて、限界集落に近い集落なので歳の順で順番が回ってきました。

 

本来ならばもう何年か前に引き受けなければいけなかったわけですが、その時期は仕事が忙しくて毎日3時間以上の残業をしている状態でしたので、理由を言って大先輩に助けていただいて番狂わせをしてしまいました。大変申し訳ございません。

 

既に3月のうちから色々始まっていて、圧力に屈して独り身だったら夜逃げしたい心境です。何とも頼りない区長ですいませんが、役員の皆さんと区民の皆さんのお力を借りまして、2年間宜しくお願いいたします。

 

「厄介な生き物」と言えば、この地球上の生き物たちにとって、人間ほど厄介な生き物はいないということを前提に、注意が必要な外来種で最近この辺りでも身近に見かけるようになったものも多くあります。

 

いつものごとく、通勤途中に車を停めて猫に餌をあげたり、草むらにスマホを向けていたり、側溝の底を睨みつけていたり、怪しいことばかりしていますが、決して変質者ではありません。

 

                            オオキンケイギク

 

「のぞみサンピア」下の県道沿いで撮りました。花は確かにきれいですが、キク科の多年草で、乾燥に強くて種子が細かく、コンクリートアスファルト舗装の僅かな隙間にも入り込んで芽を出します。とにかく繁殖力が大生です。キバナコスモスに似ていますが、間違っても庭に植えたりしないようにしましょう。

 

                             オオハンゴンソウ

 

集落入り口の三叉路から1㎞ほど下った右手の休耕田で撮りました。北アメリカ原産で明治中期に観賞用として入ってきましたが、1955年に野生化した個体が確認されました。日本に分布しているハンゴンソウは、新芽を山菜としても利用しますが、オオハンゴンソウはアクが強く、食中毒に似た症状を起こしますので、食べないようにしましょう。

 

上の画像のように1株確認すると、数年後には見る見るうちに大群落になって、日本古来の生態系に悪影響を及ぼします。

 

 

          

                     ハンゴンソウ

 

                                アレチウリ

 

アレチウリは北アメリカ原産の1年生草本で、蔓の長さは10メートルにも伸びます。一株あたり400個以上の種をつけ、発芽率は約7割といわれています。多いものでは1株あたり25,000個もの種をつけた事例も報告されています。花が咲く前に駆除するのが有効な方法だということです。

 

2018年に「特定外来生物」に指定されています。アレチウリが大量にある場所では、他の植物がほとんど生育しなくなります。全国の河川敷等で広く繁茂し、日本の固有種を駆逐してしまうので、適切に駆除する必要があります。

 

オオキンケイギクオオハンゴンソウ、アレチウリは、2022年に佐久市役所 環境政策課の「緑の環境調査」で調査報告した画像です。特定外来生物は花が奇麗だからといって庭に植えたり、畑で育てたりすると3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人の場合、最高1億円の罰金が課せられますから注意しましょう。

 

 

  

 

 

  

 

 

こちらの画像は長野県公式ホームページから引用しました。「植えてはいけないケシ」です。ケシの種はとても小さくて、いつの間にやら庭に飛んできて花を咲かせることがあります。自分の知り合いの看護師さんは、庭に知らないうちに咲いていたのでヒナゲシだと思って、そのままにしておいたところ、突然、制服の警察官が2人来て「このケシ抜きます」といって抜き取ると同時に、始末書を書かされたということです。

 

      

                                                                                            大麻

この画像も長野県公式ホームページからの引用です。浅間山麓に多いといわれる大麻です。こちらももちろん育てたり、植えたりしてはいけない植物なので注意しましょう。自分は実物を見たことがないですが、浅間山麓では警察署で時々抜き取り作業が行われているということです。

 

      

                         アカボシゴマダラ

 

こちらは昨年8月に、家の玄関の横にあるクヌギの木に飛来したアカボシゴマダラです。日本には奄美大島に生息していますが、その個体数は少なくてアカボシゴマダラ奄美亜種は環境省レッドリスト絶滅危惧種」に指定されています。

 

こちらは同じ種でありながら、移入個体群の名義タイプ亜種といって、中国から人為的に持ち込まれたものだということです。日本には生息していないアカカバマダラが長野県 信濃町で見つかった事例もありますので、アサギマダラのように季節風や台風の目によって長旅をしてきた個体かもしれないと思って、よくよく調べてみるとアサギマダラのような長旅をすることはないということです。

 

幼虫の食べる植物の葉はエノキですから、オオムラサキの幼虫の食べる葉と同じなので、日本の国チョウで固有種、オオムラサキを駆逐していく懸念があります。それにしても、同じ種でありながらアカボシゴマダラ奄美亜種は絶滅危惧種であるのに対して、中国から持ち込まれた個体は特定外来生物というのは何とも皮肉なことです。

 

            

           


この次の画像は、多くの方にとっては恐らく不快に感じるものかも知れません。この類に生き物たちは、たぶん人間に好かれようとは思っていないためこういう姿、模様をしているのではないかと思うほどです。それよりは、あえて人に近づいて欲しくなくてこのような姿をしているのだろうかとも思います。

 

 

                         マダラコウラナメクジ

 

左の画像は以前の記事「防護柵について思うこと」でも投稿していますが、2022年9月5日 初めて確認したマダラコウラナメクジです。 右は2023年8月11日に確認しました。ボールペンの長さが約140mm なのでその大きさがわかると思います。大きいものは20㎝にもなるということです。

 

      

 

こちらは2023年7月5日 朝、散歩に出かけてアスファルト舗装の上を這っているものを見つけました。朝早く霧が濃くしっとり暖かい日は、側溝の底や舗装道路の上を普通に這っているのを確認できます。この地区でも確実に個体数が増えています。

 

元々はヨーロッパに生息していた種ですが、侵入経路は不明です。おそらくは輸入された観葉植物などに卵が産みつけられていて持ち込まれたものと思われます。2006年 茨城県 土浦市で発見されて、今では北海道に長野県でも多数確認されています。長野県では特に佐久市で個体数が増えているということです。

 

            

                    広東住血線虫

 

見た目は何ともグロテスクですが、このマダラコウラナメクジ自体が毒を持っているということではなくて、広東住血線虫(カントンジュウケツセンチュウ)という寄生虫がいて、この寄生虫が人間に感染すると幼虫のまま脳まで達して、最悪の場合死亡することもあるということです。

 

線虫ですから、当然肉眼では見えませんが、マダラコウラナメクジがついていた生野菜を食べて感染したという事例もあるようですから、このナメクジに限らず生野菜は良く洗ってからいただくようにしましょう。

 

      

                            コウガイビル

 

シュモクザメのような頭をしたこちらの生き物はコウガイビルといいます。ヒルと名がついていますが、実際にはヒルではなくてプラナリアの仲間です。最近といっても20年以内くらいに家の周りでも見るようになりました。初めて見たときはこの姿の怖さに固まって動けなくなっていました。人の血を吸ったり、恐ろしい毒をもっているのではないだろうか・・・・?などと想像したものです。

 

人間の血を吸ったり、あるいは毒針で刺したり、直接被害を及ぼすことはないようですが、ナメクジ、ミミズ、カタツムリなどを食べるということです。そういうことから想像するとマダラコウラナメクジとも接触しているはずなので、広東住血線虫の感染経路となっている場合も考えられます。

 

100種類を超えるコウガイビルですが、そのうちの2種類にはフグと同じ猛毒のテトロドトキシンを持っているということがわかりました。日本で生息している種がこの猛毒を持っているとは限らないですが、テトロドトキシンは青酸カリの1000倍の毒性があるということですから、素手で触ったりしないように注意しましょう。

 

 

 

   

                              サワガニ

 

 

 

朝早く散歩に出かけると、色々な植物や生き物たちに行き会います。私たち人間にとって都合にいい生物ばかりではないですが、不快生物と言われる生き物も観察できます。足のない爬虫類やケムシの類は自分も苦手ですが、あまりにも増えすぎたり、生態系を脅かすことのない限りそっとしておいてあげたい気がします。

 

しっとり温かい朝はかわいいサワガニに行き会ったり、カモシカが興味津々でこちらを見ています。この日は若い2頭に行き会いましたが、左の子を見つけたときは自分もとうとう遭遇してしまったか?と思いきやよーく見るとカモシカでした。若い子は体毛が黒いので遠目に見るとクマと間違えるかもしれません。

 

 

      

 

        

 

      

     

 

4月になってようやく春らしい陽気になりましたが、昨日は雨で、この雨を境に今朝は気温が下がって温度計は-6℃でした。ソメイヨシノはまだ開花しませんが、山ではダンコウバイに続いてコブシがが咲き始めました。大好きなあの白い花が霜に遭わないように祈る思いです。