今ではコンビニなどでも、一合入りの容器のお酒がたくさん並んでいます。開封してそのままいただけるグラス形のものを総称して「ワンカップ」と呼んでいることが多いですが、「ワンカップ」は大関株式会社の登録商標です。
出張帰りのおじさんのたまらないアイテムのような「ワンカップ」ですが、もともとは若い人たちに飲んでほしいという思いで生まれた商品だということです。
昭和39年10月10日 「ワンカップ大関」は東京オリンピックの開会式に合わせて発売されました。しかし当時、日本酒は一升瓶から徳利に移して燗をしていただくというのが一般的で、冷酒は縁起でもないとか、コップ酒は品が悪いというマイナスイメージが強く、売れ行きは伸びなかったようです。
次第に駅の売店などで売られたり、自動販売機を設置したりして「いつでも、どこでも飲める」をキャッチフレーズに手軽さ、便利さという商品特性を前面に出すことによって次第に売り上げが伸びていったということです。
昭和46年には、「ワンカップ」の売行きが好調なのを知った、他の清酒業者が次々とカップ酒を発売し始めました。その後、「ワンカップ大関」はラベルの裏に日本の風景、世界の名峰などが印刷されていたのも楽しい工夫だったように思います。
新型コロナウイルスの感染が拡大した翌年、我々の地区の新年会も当然中止になってしまいましたが、元旦、の日の午後、女房と氏神様まで歩いてお参りに行きました。お参りしてから神社の役員さんがお供えしてくれたこの「ワンカップ」の300㎖と紙コップが用意してくれてありましたので、紙コップに半分ほど注いでいただいたのですが、すっかり冷えていて美味しかったのを思い出します。
1990年には、田村正和さんと中島みゆきさんがCMで共演していたのを思い出しますが、「悪女」の詞の一節が入ったラベルに目が止まりました。
ごくごく最近、近くのファミリーマートで、300㎖の生貯蔵酒をみつけました。これからの季節は、「お酒飲みたーい!でも暑いしどうしよう!」なんてことありませんか。夏は夕涼みしながら生酒、生貯蔵酒が飲みたくなります。
たっぷり300㎖入って、すっきり飲みやすくて美味しいワンカップです。ラベルの裏は涼しげな画像が昭和の小宇宙を感じます。
池田町の福原酒造株式会社の「北アルプス」写真がピンボケですいません。
お酒を造るのに大切な水は、「酒造用水」と言いますが酒造用水はさらに二つに分けられて、米の洗浄や浸漬、仕込みに使われる「醸造用水」とお酒のアルコール度数や味わいを調整するのに使われる「瓶詰用水」があります。どちらも、お酒の味や香りに大きな影響を与える大切な水です。
松本市 亀田屋酒造店の「アルプス正宗」です。貯蔵方法にも工夫があって味わい深いものがあります。松本、安曇野は北アルプスの伏流水が豊富に湧き出すことでも有名ですが、松本市内には井戸や湧水がきれいに管理されていて、市が管理しているだけでも20か所もあるということです。
下諏訪町 諏訪御湖鶴酒造場 純米酒 御湖鶴 一時は途絶えてしまったかに思えたのですが、「御湖鶴」の名を残しつつ株式会社 盤栄運送が再び酒造りに取り組んで清酒「御湖鶴」がいただけるようになりました。とても嬉しい逸話です。180㎖アルミ缶です。
アルミ缶というと、こちらの商品を忘れてはいけない気がします。「ふなぐち」とは、お酒を搾るための槽(ふね)から出てくる、お酒のことで、火入れ、割水、アルコール添加を一切していない、正に搾りたてのお酒です。搾りたてのお酒は、時間とともに香味が変化していきますので、瓶詰めして市販するということが困難だったようです。
試行錯誤を繰り返し、酒蔵でしか飲めなかった「ふなぐち」を1972年、日本初のアルミ缶入りの生原酒の開発に成功したということです。
因みに、醸造用アルコールを添加する目的は、うすめて増量するとかいうことではなくて、品質を劣化させる火落菌などの殺菌と、味わいを淡麗化すこと、香気成分を引き出すという効果があります。
ユニークなキャラクターが印刷されたこちらの180㎖入り瓶の商品は、「大雪渓」と並んで「山の酒」で有名な株式会社 薄井商店の「白馬錦」です。北アルプスの長野県側の山小屋に泊まってお酒をお願いすると、たいがいは「白馬錦」か「大雪渓」です。どちらも好きなお酒です。
上諏訪町に五蔵ある酒蔵のうちの麗人酒造株式会社のアルミ缶入りです。昨年は新型コロナウイルスの関係で一年遅れて開催された善光寺御開帳と諏訪の御柱祭が一緒になりました。長半纏に鉢巻をした諏訪姫がかわいいですね。松本市、辰野町では今年、御柱祭が開催されています。
地元、佐久の芙蓉酒造協同組合の金宝芙蓉の「おちょこつき」です。スクリューキャップのペットボトルだとそのまま口をつけるよりは、おちょこに注いでいただくのが品が良いと思います。
こちらも地元、千曲錦酒造株式会社の千曲錦「かっぷちくま」です。定番の1.8ℓ金紋パックと同じデザインがつかわれています。中身も同じだと思いますが、比較的、淡麗ですっきり飲み飽きないお酒です。紙パックは割れる心配がなくていいですね。
2023年2月17日信濃毎日新聞より
千曲錦の新商品「旅する日本酒」が信濃毎日新聞に紹介されていたので、2月春休みになって高岡から帰省した娘を佐久平駅に迎えに行ったとき、早速、かわいい猫のデザインのクラフトビール「水曜日のネコ」と一緒に買い求めました。
アルミ缶で中身は300㎖です。スクリューキャップですので、こちらもおちょこが付いています。一口いただきます。たぶん中身はすぐわかりました。定番の金紋よりさらに淡麗辛口の商品だと思います。
電車で移動することもすっかり少なくなってしまいましたが、たまには電車に揺られながら時間を忘れて「呑み鉄」なんていうのもいかがでしょうか。