satoyamanekokunのブログ

猫たち、お酒、山に虫、神社仏閣、全くまとまりのないブログですいません。

神社仏閣を訪ねて「9」歯痛地蔵さん

梅雨前線の影響で九州北部、山口県などでは記録的な豪雨になっています。被災地の皆様には謹んでお見舞い申し上げます。

 

7月9日の夜明け前はこちらでも激しい雨の音で目が覚めました。4年前の台風19号を思い出します。そして、今年は夏祭りも4年ぶりに再開されています。とはいても新型コロナウイルスの感染者数は徐々に増えているようですので、自分なりに注意して行動するようにしています。

 

先日、女房と買い物に行ってちょっと寄り道してみました。国道18号線を軽井沢方面に向かって、追分の信号を左折すると中山道追分宿になります。

 

 

信号を左折して百メートルほど進むとユニークなお地蔵さんがたくさんあるという、曹洞宗 浅間山 泉洞寺の門柱が見えてきます。

 

中山道に面した第一駐車場に建立されている「なかよし地蔵尊」です。お地蔵さまとは「地蔵菩薩」といい、お釈迦様が入滅された後、衆生を救済するためにこの世に下りるとされる弥勒菩薩が現れるまで56億7000万年かかるとされています。この間の現世において私たち人間は死後、六道の世界を巡るということですが、この六道の世界にはそれぞれの苦しみがあるということです。地蔵菩薩はこの六道の世界を自由に往来することができて、仏様に代わってこの世界で苦しんでいる人を救ってくれるという、とてもありがたい存在なのだそうです。

 

 

人間は生きていても亡くなった後も、またまた生まれ変わってもこの六道の世界で苦しむということなのです。お釈迦様は修行してこの六道輪廻から解脱して、極楽浄土に行かれたということなのですが、骨と皮だけになるような荒行をしても悟りを開けなかったということです。難行、苦行を重ねても悟りを開くことはできないということをお釈迦様は身をもって体験したわけですから、これはとても大切な修行の一つとなったのではないのでしょうか。

 

 

浄土宗・浄土真宗では「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで極楽浄土に往生できるということですですから、何となく食い違いを感じてしまうのです。阿弥陀如来さまは「全ての衆生を極楽浄土に導きます。」と誓いをたてられた方ですから、だれでも平等に極楽に行かれるのではないのでしょうかと考えていますが・・・?

 

たぶん、お釈迦様のように菩提樹の木の下で静かに瞑想したところで、自分のような煩悩の塊のような人間は悟りの境地に入れるなどとは当然思ってもいませんが、すべては阿弥陀如来さまにおまかせして「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」と唱えるようにしましょう。法然上人に親鸞聖人はすべての人が同じように救われると申されていますので。

 

 

掲示スペースのすぐ隣に「夢の箱」という青空文庫があります。どの本でも1冊借りて行っていいのだそうです。

 

 

中山道も暫くぶりに来てみまたのですが、段差もなくきれいに整備されていました。

 

右の門柱脇には少しひょうきんな表情の「おで迎え地蔵尊」が建っています。

 

きれいに手入れされた木々の中を進みますが、新緑と梅雨時のしっとりした感じがまたいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山門の手前にはユニークな石仏が建っています。

 

六体あるお地蔵さんもみんな同じようですが、よく見ると一体一体、表情が違います。

 

今年は兎年なので、美味しそうなお餅をついているかわいい兎の絵馬が奉納されています。

 

山門をくぐって右手には立派な鐘撞き堂がありました。

 

正面には立派な本堂があります。

 

本堂手前、右手にはかわいい「縁結び地蔵尊」がありました。

 

 

軽井沢と言えばこの二つのスポーツを思い浮かべますがとてもユニークです。

 

 

 

本堂左手にもユニークなお地蔵さんが勢ぞろいしています。なかには笑福亭鶴瓶さん似たお地蔵さんもあるとかという噂ですので是非探してみましょう。

 

やさしい顔の観音様です。

 

貞明皇后さまに書道を教えられたという軽井沢出身の書家、稲垣黄鶴の句碑と筆塚があります。句碑には「浅間嶺の 今日は晴れたり 蕎麦の花」と刻まれています。

 

 

 

 

本堂右手の赤松の下には歴史を感じる石仏がありました。

 

 

本堂左手の案内表示に従って進むと、作家 堀辰雄が愛した石仏「歯痛地蔵」があります。堀辰雄の作品と言えば「風立ちぬ」くらいしか読んだことがなくてすいません。

零戦の設計者 堀越二郎が主人公の作品ですが、妻は若くして結核で亡くなってしまいます。実際には須磨子さんという健康な女性で子供も6人授かっていて、長生きされたということです。

 

それでは、結核で若くして亡くなられた菜穂子さんという方はだれなのでしょうか?全く架空の人物ということではなくて堀辰雄の婚約者だったようです。9月に婚約して次の年の12月に結核で亡くなられたということです。アニメも映画館で見ましたがとても悲しい話です。そんな訳でもっと堀辰雄作品を読んでみましょう。

この石仏を刻まれた方は石工さんなのだろうか?それとも芸術家だろうか?そして、どういう思いで造られたのでしょうか?痛そうに左頬に手を当てている姿がなんとも芸術的な石仏だと思います。

 

そして、ありがたいことに歯の病にご利益があるということです。神社の狛犬にお地蔵さんは撫で仏「おびんずる様」と同じで、触ることでそのパワーを分けていただけるそうです。痛そうなところに触ってご利益にあやかりましょう。