satoyamanekokunのブログ

猫たち、お酒、山に虫、神社仏閣、全くまとまりのないブログですいません。

死ぬまで山歩き(9)

   

   「また紅葉の時期に」ということだったのですが、先月上旬まだ昼間は真夏の様に暑くて、セミが鳴いていた記憶があります。けれども10月15日頃を境に朝は寒いほどになってしまいました。強い霜が何度か降りて、今年の紅葉はあまりきれいではありません。

 それでも時期を外してしまいましたが、皆さんと都合の折り合いがつきましたので、近間で良いから登ろうということになりました。場所は比較的展望のいいところということで、湯ノ丸に決まりました。

 

 昨日までは冬型の気圧配置で寒いばかりで、昼間は強風ばかり吹いていました。

今朝も冷え込みましたが、とてもいい天気になりました。

 待ち合わせの道の駅「ほっとぱーく浅科」に少々早く着きました。いつも気になっていたのですが、いつごろの消火設備でしょうか。これは見事としか言いようがないですかね。

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 そして、浅間山もきれいに見えていました。

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 ちょうど9:00ころ歩き始めます。湯ノ丸キャンプ場からアプローチしましたが、すっかり霜柱が立っていました。

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 さてここの分岐でどちらに進もうか?6月に一人で登った時は「熊出没注意」の看板に怯んで、右に行きましたが今日は三人いるしということで左に行きました。

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 途中で富士山が見えました。今年は既に、かなり白いですね。

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 富士山の右には八ヶ岳山麓も見えました。

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 湯ノ丸ー烏帽子の鞍部に着きました。

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 小梨がなっています。霜が降りる前は渋くて食べられませんが、ちょうど霜にあって美味しそうです。懐かしいので3っつほどいただいてみましたが、かなり酸っぱいです。

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 ここからは上りもきつくなります。

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 イワカガミの光沢のある葉がきれいに紅葉しています。

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 コケモモの葉は少々色が変わり始めたところでしょうか。

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 烏帽子を後ろに見ながらもうすぐ頂上です。

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 三角点が見えました。

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 今日も頂上で友達に写真を撮ってもらいました。

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 浅間山の噴煙も間近に見えます。

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 かわいいゴヨウマツをみつけました。

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 ゆっくりお昼をいただいてもう一度、360度の大パノラマを目に焼き付けて下りましょう。

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 風向きの関係でしょうか、北アルプスと北信五岳の頂上付近に雲がかかっていたのが少々残念でした。槍ヶ岳戸隠連峰は良く見えました。赤く紅葉した葉はゴゼンタチバナですかね。

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 シャクナゲの葉はまだ緑で光沢もあってきれいです。

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 シラタマノキも紅葉し始めたところでしょうか。

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 背後の湯ノ丸を眺めてスキー場から下りました。今日も無事下山しました。そして天気に恵まれて良い山行でした。下りでけっこう膝に来て心地いい筋肉痛が2日ほど続きました。朝晩すっかり寒くなりました。今年はラニーニャ現象を確認したということですから、冬はそれなりに寒くなるという予報のようです。寒さに負けないで今年の冬はスノーシューに挑戦してみたいと思います。

 

死ぬまで山歩き(8)

   シルバーウィークは農作業も終盤だと自分に言い聞かせて、すっかり遊びほうけていました。(6月に蒔いたキタアカリをまだ掘ってないのに、片付いたつもりでいます。そもそも6月に馬鈴薯蒔いたって聞いたこともありません・・・って、恥ずかしくて人には言えないのでそーっと蒔きました。)

 

 新型コロナウイルスのワクチン接種もあったりで、なかなか会社の友達とも日程が合わずにここまで来てしまいましたが、去年、初めて一緒に登っていただいた友達のリクエストで「双子池」に出かけました。自分も年に一度は行ってみたいところなので、三人の意見が一致したところで9月24日振替休日になった日に出かけました。平日のわりにはけっこう登山者が多かったです。

 

 大河原峠から二子山に向かいます。今日も北横岳ー蓼科山の最低鞍部に中央アルプスがすっぽり入っていました。

 

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 西には蓼科山

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 南には大岳、北横岳が見えます。

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 双子山頂上の手前にちょうどいいテーブルがありました。

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 今日も天気に恵まれて最高の山日和です。

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 双子山 頂上に着きました。すっかりジジイだから、自分の写真など撮ってもらったこともここ何年もなかったのですが、今日は友達に一枚撮ってもらいましたけど頭うすいですね。

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 時々、Aさんが出演しています。

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 双子池までは、一気に下ります。SF映画の生き物のような天然カラマツ。

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 双子池ヒュッテに着きました。さて、双子池でゆっくりしましょう。残念ながら今日はキベリタテハやルリボシヤンマの姿はありませんでした。

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 紅葉し始まている木もありますがダケカンバでしょうか。

 

 

 

 

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 双子池ー亀甲池の間は相変わらずですが、かわいいキノコが出始めていました。

こちらはスギヒラタケ? ウスヒラタケ ?どちらでしょうか???

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 こちらはたぶん、ヤマイグチだと思います。

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 ウドンの具などに最高です。良い出汁が出ます。図鑑では「クロゲナラタケ」

となっていますが、この辺りでは「ヤブタケ」の愛称で親しまれています。

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 花は既に終わっていますが、かわいい四つ葉のこの植物はゴゼンタチバナ

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 ウコギ科のハリブキは葉の表面にもトゲがあります。

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 こんな倒木の下を潜ります。

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 このシダ植物は何というのでしょうか?葉の形も色もきれいなシダ類です。

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 やっとこさ、峠を越えるとなだらかに下って亀甲池に到着します。

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 ゆっくりお昼をいただいてまた頑張りましょう。

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 正面に蓼科山を見ながら天祥寺原に向かいます。

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 天祥寺原から大河原峠に向かいます。

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 大河原ヒュッテが見えてきました。

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 早々、大河原峠に戻ってきましたので、みんなでゆっくり一休みして「JAXA」の宇宙空間観測施設を巡ってみようと思います。

 先ずは、今年4月10日に開局して、いよいよ活躍が期待されます。「JAXA 美笹

深宇宙探査用地上局」の電波望遠鏡を見学しました。今日は真上を向いています。

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 次は、1984年10月から運用しています。「JAXA 臼田宇宙空間観測所」の電波望遠鏡を見学にいきました。警備室で人当たりの丁寧な警備員さんに、リーフレットとカードをいただいて、警備室より更に奥の敷地内に入らせていただきまた。

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 美笹深宇宙探査用地上局の電波望遠鏡はの直径は54メートル、臼田宇宙空間観測所の電波望遠鏡の直径は64メートル、宇宙は神秘にあふれています。今後もどんな素晴らしい活躍をしていくことでしょうか。

 今日は好天に恵まれました。また次回は、紅葉の時期に是非出かけてみましょということで意見がまとまりました。 

今週のお題「赤いものは好きですか?🍁」

 


今週のお題「赤いもの」

 

   「赤いもの」色々思い浮かべますが、赤い車も好きです。赤飯にイチゴにスイカそして、この時期はやはり紅葉にヒガンバナ、リンゴに柿、紅葉と言えば先日、女房と小諸市懐古園に紅葉を見に行きました。花見の時期に一度は行きたくなる名所ですが、最近は紅葉の時期も良いところですね。

 

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 「懐古園」といえば「三ノ門」ですが、隣の市に暮らしていて恥ずかしいのですが「大手門」という門が残っていることを初めて知りました。しかもきちんと整備されて立派な公園になっています。

 

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                                「三ノ門」

 

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                                「大手門」

 大手門を見学してから小諸駅に併設している、「小諸駅のまど」という喫茶店で一休みしました。「残りがあとわずかなんです。」と言われて、一緒にいただいた牛乳パンがとても美味しかったです。

 

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 そういえば昨日、畑の片付けをしていてジャングルのような庭の「メグスリの木」に「ブルーベリー」も紅葉していました。

 

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                      こちらは「メグスリの木」です。

 

 

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                      こちらは「ブルーベリー」です。

 

 畑から帰ると、「ハンちゃん」が甘えて来ました。しばらく一緒に「ひなたぼっこ」しましょうかね。

 

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 何だか脱線ばかりしていますが、この時期の果物といえば柿にリンゴでしょうかね。どちらも大好きですが子供の頃、望月の親戚の家がリンゴ農家で収穫のお手伝いに行ったことを覚えています。

 

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 当時は赤いリンゴは、「紅玉」「国光」「スターキングデリシャス」に甘い「インド」とにかく大きい、「世界一」などという品種がありました。黄色いリンゴは「ゴールデンデリシャス」、小型で細長い「王鈴」に触感がナシ+リンゴのような「王林」などが代表的でしたかね。

 今では「つがる」に「ふじ」「秋映」「シナノスイート」「シナノゴールド」など、味覚も触感も良い品種がたくさんありますが、自分の子供の頃のリンゴは独特な酸味が美味しかったように思います。

 特に「紅玉」は今でも好きな品種です。当時「ふじ」が出始めていたころで、「紅玉」や「国光」の木の高いところに「高接ぎ」と呼ばれる、いわゆる「接ぎ木」をしていました。当然「接ぎ木」をした枝には「ふじ」がなって、下の方の台木の枝には元々の品種である「紅玉」や「国光」がなっているのですが、今ではそういうリンゴの木もすっかり見なくなりました。

 自分はその台木になっているリンゴが好きで、収穫されることもなくほったらかしなので、特に「紅玉」は真っ赤に熟して黒光りするほどになっています。美味しそうなのを見つけたと思って手を伸ばして採ろうとすると、反対側からすっかり中身はカラスに食べれていしまっているものもあります。カラスも美味しいものを知っています。

 カラスに食べられていないものを見つけて割ってみると、中は見事に蜜が中心から一面に放射状に入っていて、とても美味しかったことを覚えています。そして果汁がたっぷりで酸味と甘みのバランスがとともいいリンゴです。赤いリンゴといえば今ではすっかり見かけなくなってしまいましたが、「スターキングデリシャス」も好きでした。

 新型コロナウイルスの感染も少々落ち着きましたが、それでも安心は禁物です。人混みはさけなければいけませんが、まだ行ったことのない近間の「道の駅」に懐かしいリンゴを探しに行くのも楽しいと思います。

 

 

 

あの街の思い出(4)「築北村」

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   9月19日は娘と下諏訪町に行って、後日20日はお墓参りに行きました。毎年秋分の日に開かれる菩提寺の「施餓鬼法要」が、昨年は新型コロナウイルスの感染の猛威のため中止になってしまいました。今年は会食はせずに法要のみ行うとの連絡が来ました。

 娘の夏休みも今月いっぱいなので、「秋分の日」は、みんなでどこかに出かけようということで、いつもなら「施餓鬼法要」の日にお墓参りをしていたのですが、今年は先にお墓参りをしました。

 いつもお墓参りに行くときは、お寺さんをお参りしてからお墓に行きます。この日もお寺の本堂に行くと、庫裏のほうから「功一さん、お茶飲んでいきませんか」と住職さんが声をかけてくれました。たぶん住職さんも法事を控えて忙しいでしょうから、丁重にお断りして本堂の木戸を開けさせていただいて、ご本尊さまにお参りしょうとしたら住職さんが来てくれて、上がってお線香をあげさせていただきました。

 

 そして、23日は3人で築北村に行くことにしました。何故、築北村かというと、ヤポンスキー こばやし画伯のブログでかわいい修那羅の石仏さんが紹介されていたことと、NHKのニュースで築北村で早々稲刈りが始まったことを映像で見てとても長閑なところだという印象が強く残ったためです。

 国道143号線を上田市から青木村に入って、いよいよ青木峠に向かう上りをしばらく進んで「築北村」の案内標識を右折します。しばらく進むと峠を越えますが、この峠は何とその名も「修那羅峠」です。

 この峠を越えると直ぐに、修那羅の石仏さんの安宮神社 南参道の駐車場がありました。

 

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 表参道からお参りしたいと思いましたが、結構距離がありそうなのでまたの機会にして、今日はこちらの南参道からお参りすることにしました。

 

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 むき出しの大きな岩や秋の恵みも見つけました。

 

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 軽自動車1台が通れるほどの参道を進むこと30分ほど、安宮神社に着きました。

 

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 鳥居の周辺にもユーモラスな石仏さんがおられます。

 

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 オートバイの安全を見守ってくださる神社でもあるようです。古いスクーターも奉納されていました。

 

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 かわいい猫が出迎えてくれました。普段は無人のようですがお札の売り場もありましたので、結構賑わった時期もあったと思われます。

 

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 女房が腰を下ろした隣に来たオス猫は、「ここは俺んとこだぞ!」みたいな感じでした。

 

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 お参りをして大きな鳥居の右に小さな鳥居があって、その鳥居の先は建物の階段の下をくぐります。

    そのまた先は、神社の裏手にある石仏群につながっていました。建物の裏手なので朝のしっとりした空気にまだ日が当たらない時間帯は正直少々怖い感じもしますが、一体一体見てゆくととてもかわいらしい石仏さんでした。

 

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 狛犬さんもどことなくユニークな感じがします。

 

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 帰りには結構登ってこられる親子連れの方たちに行き会いました。ゆっくり歩いていい運動にもなりました。そして、お腹も空いてきましたが、どうやら美味しいうどん屋さんがあるようなので、女房に運転してもらって長閑な築北村を眺めながらそちらに向かいました。

 

 一度、麻績村に入ってまた築北村に入りました。JR篠ノ井線と並行して進んだ先に「道の駅」に併設された「うどん屋」さんがありましたが、今日は「道の駅」も「うどん屋」さんも閉まっていました。

 

 少し残念でしたが確か「お蕎麦屋」さんもあったので、そちらに行くことにしましたが近くにかわいい「パン屋」さんがありましたので、パンを買って行くことにしましょう。

 

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 来た道をひたすら戻りましすが、日本の原風景のような長閑なところです。途中、踏切で貨物列車が通過して行きましたが、JR信越線がしなの鉄道になってからは、久しく貨物列車をみたことがありません。もちろん小海線にも走っていませんので、長閑なこの村で無機物な貨物列車を目の前で見たら、少々異様な感じがしました。

 そして「そば処 さかい」さんに着きました。車を止めて降りると、お店のおかみさんが声をかけてくれたのですが、「お蕎麦が終ってしまってウドンならできます」という内容でした。

 

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 今日はみんなでウドンが食べたいと思っていたので、当然、上がらせていただきいて「天ざるうどん」をいただいたのですが、ウドンは太くてツルツルで天ぷらも地元野菜にキノコにエビにとてもサクサクで美味しかったです。

 

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 直売所も併設されていて、地元野菜にリンゴにキノコなど色々並べられていて、見ているだけでも楽しいものです。今年はマツタケがたくさん採れているようで、地元産と大町市産のものがたくさん並んでいました。

 

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 さて午後は聖高原を経由して、姨捨の棚田を見に行くことにしました。

 

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 聖高原に来たのも初めてです。こちらが善光寺道で最も難所だった場所だったようです。また機会があったらこの先の聖山、または、ここより東の冠着山にも登ってみたいと思います。

 

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 聖高原を後にして、ひたすら千曲市方面に下ります。絶景ポイントがありました。

 

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 千曲川がきれいに見えます。多分、夜景もきれいなところだと思います。そしてさらに下りますが、JR篠ノ井線姨捨駅に来ました。鉄道ファンやオートバイでツーリングしている方たちには人気の駅です。自分も駅の写真を撮りたかったので、狭い駅前に車を止めてもらって写真を撮りましたが、背後は垂直な岩肌なので夕刻のような写真になってしまいました。

 

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 後で気づいたのですが、駅より北に駐車場がありますので自動車の方は是非そちらを使うようにしましょう。

 そして、「田毎の月」で有名な「姨捨の棚田」の駐車場に着きました。長楽寺の境内をお邪魔して棚田に向かいます。

 

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 石段を下って行く右手の岩山の上にも登ることが出来て、この棚田がきれいに見えます。「静けさや 岩にしみいる 蝉の声」ちょっと山寺を思い浮かべる気もします。

 

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 こちらは、良寛さんの五合庵を思い浮かべる「月見堂」と読むのでしょうか。色々な方向から撮ってみましたが、何とも風情のある建物だと思いませんか。

 

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 これより棚田に向かいますが季節がいいですね。今日は「秋分の日」以前は「お彼岸の中日」と言いましたから、この花の一番きれいな時期なのでしょう。そんな訳であまり縁起が良くないと考えられる方も多いようですが、稲穂の黄色に真っ赤なこの花はとてもきれいな花だと思います。

 

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 そして、棚田では稲刈りが始まったころでした。時期的にはとてもタイミングがよかったのだと思います。年がいもなくあちこち走り回って写真撮って歩きました。

 

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 柿もこんなに赤くなっていました。

 

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 またヒガンバナを見て、長楽寺の境内をお邪魔して戻りましたが、今日はとても楽しい一日でした。築北村はとても長閑で良いところです。そして「姨捨の棚田」は、また田植えの時期に是非訪れたいところです。

 中込駅から小海線に乗って、小諸駅しなの鉄道に乗り換えて、篠ノ井駅篠ノ井線に乗り換えて、稲荷山ー姨捨駅ー冠着駅ー聖高原駅ー坂北駅を満喫しながら松本ー塩尻にそして、中央本線に乗り換えて小淵沢から再び小海線に乗り換えて中込駅に戻ってくるような電車のローカル線の旅も楽しいいかもしれません。

 

神社仏閣を訪ねて(5)「諏訪大社下社」

    8月8日に夏休みになった息子を長野まで迎えに行って、8月11日は富山まで娘を迎えに行きました。
送って行く時はさみしいですが、迎えに行く時は楽しみです。4月に送って行った日は、雨が降ったり止んだりのはっきりしない天気でしたけれども、この日はあまり暑くもなく天気の良いおだやかな日でした。

  寮に行って荷物を車に積めば夕飯までに家に帰れば良いので、富山駅に行って買い物をしてお昼をいただいたり、海を見に行ってまた買い物をして帰って来ました。自分もあと一日出勤すればお盆休みです。一年の長期休暇の中でいちばん楽しみにしているのがお盆休みです。

 ところが休みに入るや否や連日雨降りでした。迎え盆に送り盆はそれでも仏さまのお慈悲でしょうか、小降りになったので救われた思いがしました。

 そんな訳で長いと思っていた子供たちの夏休みも、終わってしまうとアッという間でした。それでも9月に入ってまた昼間は真夏のような日が戻ってきたので、いつも朝寝坊の娘と一緒に少し遠出をしてみました。それでも新型コロナウイルスのワクチン接種は2回目が済んでいましたが、そもそもこのワクチンなどほとんど信用していないというのが自分の本音です。そんな訳で県外や人の多いところは避けたほうがいいと思います。

 娘は美術館に行きたいというので、あまり遠くなくて美術館の多いところということで、諏訪に行くことにしました。天気は快晴とてもおだやかな日でした。

 笠取峠、新和田トンネルを通って下諏訪町に入りました。そういえば、三才山トンネルは無料になりましたが、新和田トンネルはまだ有料です。それにしても結構高かったんですね。

 先ずは、諏訪大社、下社の秋宮、春宮をお参りすることにしました。

 こちらは、秋宮のお清めどこの手前にあるからくり時計です。日本電産が寄贈してくださったかわいい御柱がシーソーのように動きます。



 神楽殿、幣拝殿をお参りして、御柱も見てまわりました。幣拝殿に向かって手前右側に立っているのが、諏訪大社4社の中で一番太い秋宮一の御柱、そして時計回りに手前左が秋宮二の御柱と四本の御柱が立てられています。



 



 そして、秋宮一の御柱の左に「天覧の白松」と呼ばれる幹の白いきれいな松の木があります。昭和天皇皇后陛下が昭和39年5月12日にご参拝の記念に植えられた松だと言うことです。普通の赤松は葉が二枚、五葉松は葉が五枚です。しかし、この「天覧の白松」の葉は三枚です。大変珍しい松です。この松の葉をお財布に入れておくと、お金がどんどん増える。・・・?すいません。(どんどん)とは、自分が勝手に書き加えました。そして、免許証と一緒に入れておくと交通事故に遭わないといわれていますので、是非、試してみるほうがいいと思います。

 お清めどこにも龍がいましたが、こちらにも龍がいました。こちらの龍の口からは下諏訪町にふんだんに湧き出ている温泉が出ています。



 秋宮をお参りしてから、春宮に向かいました。駐車場の整備もきちんとされていて全てが良心的ですね。そして、新しく建てられたばかりのトイレもきれいです。自分はマンホールの蓋のデザインが好きなので、どこに行っても真っ先にマンホールを探します。


 たぶん、正に木落坂を下る寸前の御柱がデホルメされているのだと思います。とてもきれいです。


こちらのマンホールの蓋は少々古いものでしょうが、こちらはまた歴史を感じる風格があります。




 もちろん、こちら「春宮」にも同じ配置で御柱が立てられています。

 樹齢も見事な欅の木を撮って「万治の石仏」をお参りに行きます。

 砥川の中州にあるこちらの神社は「浮島社」です。「はらえどのおおかみ」(お祓いをするところに必ずおられるという神様) この砥川がどんな大水が出ても、けして流されることがなかったことから、下諏訪の七不思議のひとつになっているようです。こちらの社、「浮島社」にも御柱が立てられています。


 「浮島社」をお参りして、二つ目の橋を渡て砥川の上流に進んだ先に、「万治の石仏」さまが鎮座されておられます。今日も昼間は真夏のように暑い日でしたが、道中には秋を感じさせてくれる、白い萩とかわいい彼岸花が咲き始めていました。

 1660年「万治3年」に造られた、下諏訪町 指定有形文化財万治の石仏」当時は定まった呼び方はなかったようですが、地元の方たちは「あみださま」と呼んでいたようです。
 「万治の石仏」の伝説とお参りの仕方も丁寧に案内が立てられていて、とても分かりやすいです。そして、いつ見ても愛嬌のある石仏様です。


 春宮をお参りして湖畔通りに出ました。今日は天気もいいので、富士山がきれいに見えていました。駐車場に車を停めて娘と写真を撮りました。

 そろそろお腹がすきました。今日は暑いので娘と意見が一致して、蕎麦を食べようということになりました。子供たちが小さいころ時々泊りで来て、お昼はいつものようにお蕎麦をいただいていました。

 ゆっくりお昼をいただいて、午後は近くの「ハーモ美術館」に行きました。今日の遠出の目的の一つは、娘の美術館巡りです。保育園の頃から友達と遊ぶよりも絵を描くことが好きでした。高校を選ぶのも先ずは「美術部」とか「美術班」があるかどうかがいちばんの要素になっていました。

 こちらはエントランスロビーに展示されている「ダリ」の作品、「時のプロフィール」です。


こちらは撮影ができます。また、個々の作品を撮影するのは禁止されていますが、全体の雰囲気を写真に収めたいという撮り方は大丈夫です。ということで結構緩い感じです。
 ●アンリ・ルソー  ●グランマ・モーゼス ●ボーシャン ●ボンボワ ●ピカソ ●シャガール ●ミレー ●ミロ

海外の有名な画家の作品がたくさん所蔵されています。

 こちらの一階の展示室は何とも落ち着く空間です。「不思議の国のアリス」のブロンズ像の影がコンクリートの柱に移って本当に妖精がいるような気がします。


 
 2階のテラスから諏訪湖がきれいに見えます。娘はやはり絵が好きです。自分んもこちらの「ハーモ美術館」は初めてだったので一緒にゆっくり見れて楽しかったです。Facebookのお友達から、岡谷の「イルフ童話館」の紹介をしていただいたのですが、先日、娘と一緒にスマホの機種変更をしたばかりでまだ使い方がよく分かっていないので、焦って色々操作しているうちにせかくいただいたコメントを削除してしまいました。全く申し訳ありません。家に帰ってからパソコンでメッセージを確認させていただきました。
以前から岡谷市にゆっくりきてみたいと思っていました。美術館に岡谷蚕糸博物館、ウナギの美味しいお店もあるということですので気になります。


 「ハーモ美術館」をゆっくり見学して、湖畔通りを上諏訪町方面に向かいました。足湯にもつかりたいし、遊覧船にも乗ってみたいし、思いは色々ですが時間とも相談しなくてはいけません。上社、二社もお参りしたかったのですが、今日は無理のようです。諏訪湖の奥に槍ヶ岳が見えました。ちょうど赤信号で止まったので撮ってみました。

 次は「ガラスの里」に行きました。初めて実物を見ましたが、あの水陸両用バスはこちらから出発していたんですね。時間さえあれば乗ってみたいですね。

 上社 本宮一の御柱の断面も展示されています。こちらもゆっくり見て、椅子に座って少し休んで帰ることにしましたが、今日は天気も良くて、とても楽しい一日でした。思えば、娘と二人で遠出したのは初めてだと思います。下諏訪町上諏訪町は諏訪湖を中心にして、製造業が栄えて観光資源も豊富で、美味しいお酒がたくさんあって、そして、歴史と不思議を感じるとても素敵な町です。いつかまた、岡谷、辰野、茅野にもゆっくり足を運びたいと思います。







 

出現「でえらんぼう」(3)

 

 

 この童話の次話を投稿いたします。小説家になろう」または「小説を読もう」というサイトにも投稿していましす。盗作を掲載していると思われてはいけないので、双方の作者が同一人物であることをご承知おきください。

 

 

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               「山火事」           

             

   あくる年の3月も終ろうとしているころでした。宗一の村は大騒ぎになっていました。

 東風に乗って、こげくさい臭いと煙があたり一面にただよっています。山火事です。

 

 大人たちはクワやスコップを持って、東を指さしては煙のくる方角にむかって行きました。

 山火事は乾燥したススキの野原に燃え広がり、勢いづいてアカマツやカラマツ、サワラなどの針葉樹にも燃え移って、バリバリと音をたてて大きな炎がユラユラと上がっています。

 

 宗一の村はこの山火事の風下なので、村人たちは何としても火を消そうと必死なのですが、なにしろ火の勢いがはげしくて容易には近づくこともできません。

 

 宗一はいつもキノコ採りに来る、家のすぐ北西にある山に登って、山火事のおきている山の方を向いて目をつぶって、両手を合わせてあの大男が来てくれることを何回も何回も心の中でお願いしていました。

 

 煙とこげくさい臭いがますますはげしくなってなってきました。すると、山の神様の祠のある北の方から「ドシーン、ドシーン」という地響きが伝わってきました。宗一はとっさに「きてくれた」と思いました。

 

 大きな地響きはどんどん近づいて、宗一の後ろ辺りでピタリと止まりました。

 宗一は目を開けて後ろを振り返ると、あの大男が宗一を見下ろして立ってましたが、宗一が大喜びで両手を高くあげると、大男はニコッとしてうなづくと宗一の両腕をつかんでヒョイと右の肩に乗せてくれました。

 

 大男の肩の上から宗一は、東の方角を指差した。大男は宗一が指差した方角を見ると、山火事はススキの草原を黒く焼きつくして、周りの木を燃やしながら宗一の村の方に迫っていました。

 大男は宗一の顔を見て、一回「ウン」というようにうなづくと、急いで山火事の起きている方角にむかいました。

 

 村の男衆がクワやスコップで必死に土を盛っているところまで来ると、宗一を煙のこない北の山のてっぺんに降ろしました。大男は村の男衆の前に行きました。男衆はおどろいて転がるように村の方に逃げだすものや、その場に尻餅をついて動けなくなってしまう者もいました。

 

 大男は「すまない」というように大きな両手を合わせると、今度は両手を開いて「下がってほしい」というように手に平を少しつきだしました。

 そして、大男は火の手の上がっている方をにらみました。右手の方の山にある大きなサワラの木を二本両手でわしづかみにすると、思いきり引き抜こうとしました。地面に太い根が現れるとバリバリと音をたてて大きなサワラの木は抜けました。

 

 大男はそのサワラの木をしっかり握りしめるて西に進むと、去年の秋、大きな岩を持ち上げて尻餅をついた時できたひょうたん型の池の前で止まりました。

 大男は両手に持っていた大きなサワラの木をそのひょうたん型の池にザブザブとつけると、急いで火の手の上がっているほうに向かったのです。

 

 そして、水につけたサワラの木を高く持ち上げると、まだ燃えていない生木をなぎ倒しながらほ炎をたたきつけるように消していきました。大きな火の粉が大男の頭や腕、背中にバラバラと落ちてきましたが、まったく気にするようすもなく火を消していきました。

 

 大きな焼け野原をのこして、山火事は消えました。さすがの大男もハアハア息があらくなって前に倒れるようにヒザをついてしまいました。

 宗一が大声で「だいじょうぶかい」と聞くと、大男は宗一のいるとなりの山の峰に腰をおろしました。

 

 そして、宗一が大男の顔を見ると、モジャモジャのヒゲにまゆ毛はチリチリにこげていて、ボサボサの髪の毛には大きな穴がいくつもあいていたのです。ほっぺたは赤黒く光っていました。

 顔を見合わせた二人は、おかしくて吹き出すと同時に思いきりワハハハハとお腹をかかえて笑いました。幸い村人たちもケガをした人もいませんでした。

                                                                                                里山 根子君 著

 

 

 

注意

※この物語はフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

※掲載されている物語の著作権は作者にあります。作者以外の方のよる物語の引用を超     える無断転用は禁止しています。またそのような無断転用を行った場合は著作権法の違反となります。

 

出現「でえらんぼう」(2)

 この童話の次話を投稿いたします。小説家になろう」または「小説を読もう」というサイトにも投稿していましす。盗作を掲載していると思われてはいけないので、双方の作者が同一人物であることをご承知おきください。

 

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              「尻餅をついた大男」   

 

   宗一が大男に行き会ってから、二か月がたちました。山の木々は、すっかり赤や黄色に色づいて、とて

もきれいな季節です。

 

宗一は今日、あの大男に行き会った東の山にアケビやキノコを探しに来てみました。

 宗一は、大男からモロコシをもらったあの日から、あの大男に行き会いたくて、時々一人でこの東の山の林道に来ていたのです。

 

 宗一がいつも肩から下げている竹かごの中には、きれいな紫色のアケビがたくさん入っていました。

この日は、天気が良くて暖かい日でした。宗一は歩き疲れて、開けた林道の草の上で仰向けに空を眺めて寝そべりました。

 

 目をつぶると、ぽかぽかと暖かくて、しばらくうとうと眠ってしまいました。すると、ドシーン、ドシーンと、体を上下にゆするような地響きがしました。

 宗一はあわてて目を覚ますと、その地響きはもうすぐ近くで聞こえます。そして、急いで起き上がると、カラマツ林の上にあの大男の姿がありました。

 

宗一は、大喜びで両手を上げると、大男もニコッと笑って、宗一の近くに来て腰を下ろすと、ふところから温かいサツマイモを二つ手のひらに乗せて、宗一に「食べな」というように顎をしゃくった。

 

 宗一は、両手に一つずつサツマイモを受けとると、右手に持っていたサツマイモを一口ほおばった。中は黄色で甘くてホクホクの美味しいサツマイモでした。

 そして、サツマイモを大切にきれいな草の上に置くと、竹かごからいちばん大きなアケビを取り出して、大男にさしだした。

 

大男は首を少しかしげたと思うと、そのアケビを真ん中から二つに割って、中身をパクリと口に入れました。それはとてもおいしかったのか、大男はニコッと笑いました。

 宗一はまたサツマイモを食べ始めると、大男は宗一を抱き上げて大きな肩に乗せてくれました。

 

宗一を肩に乗せたまま大男は、立ち上がると富士山の方角を向いたのですが、大きな岩山があって富士山はここからは見えませんでした。

 大男は三歩、南に歩くとこの辺りで一番高い、ぼうず山のてっぺんに宗一を降ろして、さらに南に行ったかと思うと、富士山を隠していた大きな岩山を、右足で思いきり蹴飛ばしたのです。

 

 するとその岩山は、ゴロンと二回転して転がりました。そして大男は、その岩山を両手で高く持ち上げたのですが、それは意外と重くて大男はバランスをくずして、西に広がる草原に、思いっきり尻餅をついてしまいました。

 

 持ち上げていた岩山は、とっさに突き飛ばしたので、さらに西の深い沢にゴロゴロ転がって行きました。大男はゆっくり頭を上げると、心配していた宗一の方を向いて、大きな声をあげて「ワッハッハッハッハー」と笑いました。

 

 宗一はほっとして、ぼうず山てっぺんで尻餅をついてしまいました。大男は南を見ろというように、蹴飛ばした岩山のあった方角を指さしました。

 そして、その方角を見ると、宗一がカレンダーの写真でしか見たことのない富士山が、はるか遠くに見えていたのです。

 

 大男が尻餅をついたところは、やがて、きれいな水がたまって大きなヒョウタンのような形の池が出来て、魚やサンショウウオ、トンボに水鳥などたくさんの生き物が住み着くようになりました。

 宗一は東の山に来ると、必ずこのぼうず山のてっぺんに登って富士山をながめるのがとても楽しみでした。

                             里山 根子君  著                           

 

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