satoyamanekokunのブログ

猫たち、お酒、山に虫、神社仏閣、全くまとまりのないブログですいません。

暇さえあれば虫探し「12」珍客

 

いつもながらジャングルのような我が家の庭の出来事です。子供たちが保育園のころ「トトロの森」というところに行って拾ってきたクヌギの木のドングリがあちこちに埋められていて、かなり大きくなったので今年の冬は切らないといけないかなと思いきや、知らない間に樹液酒場になっていて毎日たくさんの昆虫たちが来てくれてとても楽しい。

 

 

 

最初のうちはカブトムシにノコギリクワガタアオカナブン、スミナガシ、キタテハ、ルリタテハコムラサキなどが毎日集まってきていました。

 

アオカナブンはいつ見てもきれいな緑色の金属光沢が見事です。「コレステリック液晶構造」によって、可視光線の選択反射という現象が起きて金属のような色を放つということですが、半導体シリコンウェーハの表面酸化膜のようで楽しい。

 

しばらくするとオオムラサキも飛来しました。こちらは雌です。

こちらはオスです。羽根を開くと見事な紫色ですが次第に羽根の色もあせてきたようです。大きさもさることながらオオムラサキの飛び方には力強さを感じます。樹液をたくさん吸ってまだまだ元気に飛んでいました。

 

ヒラタクワガタにアカアシクワガタがたくさん来ている日もありました。

 

夜はミヤマクワガタも来ていました。

 

そして、8月5日(土)の出来事です。幹の陰に蝶がいました。前翅の先端だけ見えていたのですが、白と黒の模様がくっきりとした蝶です。スミナガシも翅の裏側から見ると白と黒のコントラストがきれいなので、スミナガシかなと思いきや「翅、大きくね?」と思わず独り言を言ってしまいました。

 

脅さないように静かに反対側に回ってみると、スミナガシよりはるかに大きくて後翅に赤点があります。しかも翅の表も白と黒です。

 

何とか確認できそうな画像を何枚か撮って急いで図鑑を調べてみると、奄美大島とその周辺の限られた島にしか生息していないアカボシゴマダラという蝶でした。沖縄本島でも確認された記録もあるようですが、今は生息が確認されていないということです。

 

更に気になることが書かれていました。「関東方面で広がっている中国原産のアカボシゴマダラとは交雑可能であり、今後、人為的に侵入しないよう注意が必要である。」ということです。

 

よくよく調べると中国大陸より人為的に持ち込まれたと思えわれる、移入個体群の名義タイプ亜種という個体のようです。後日、早速、信濃毎日新聞 佐久支社に電話連絡したところ、その翌日、とても詳しく連絡をいただきました。

 

長野県でも特にこの東信地方で目撃事例があるようです。2016年に軽井沢で最初に確認されたということです。

 

そして、折も折ですが、信濃毎日新聞 佐久支社に連絡をした週の8月10日(木)の信濃毎日新聞に南信の駒ケ根市でも4頭のアカボシゴマダラが確認されたということです。「見つけたら捕まえて育てたり、移動したりしないで、研究機関に報告して下さい。」と呼び掛けています。

 

幼虫は在来種のオオムラサキゴマダラチョウと同じエノキやエゾエノキの葉を食べるので、このような種との競合が起きるのではないかと懸念されているようです。

 

同じ種でも奄美大島とその周辺の限られた地域で生息している在来種のアカボシゴマダラは、準絶滅危惧種であるのに対して中国から入って来たものは、特定外来生物に指定されているというのは何とも皮肉な話のような気もします。