子供たちを送り出してから一週間、初夏のように暖かい日もあれば朝はまだ真冬のように冷え込む日もあります。それでも春は駆け足でやってきて、自分が記憶にあるうちでは最も早く桜が開花しました。
4月10日に撮った佐久南インター近くにある「宝生寺山」の桜です。宝生寺というので昔はお寺さんがあったのでしょうか。桜にコブシ、ハナモモにレンギョウなども植わっていて花の時期はとても好きなところです。
後日、4月11日は暖かい日で午前中はビニールハウスの中を片付けて、お昼を食べながら女房と二人で出かけて小諸市の「懐古園」に桜を見に行きました。お昼は「ほっとぱーく浅科」の中にある「あさしな亭」でいただきました。
自分は「矢島豆腐」を使った「豆腐かつ定食」をいただきました。自分は四つ足動物の肉は苦手なので、精進料理みたいですがしっかりとした味付けがされていてとても美味しかったです。ちなみにお米は五郎兵衛米を使っています。
今日は桜もいちばん見ごろで駐車場はどこも満車だったので、少し離れたJAの駐車場に停めて歩きました。「三ノ門」をくぐると既に長い列になっていて、後ろの親父は何が気に入らなかったのか知らないけど、係員を見つけると文句ばかり言っていました。
みんな行儀よく順番を待っていたのですが、「自分を先に行かせろ」といわんばかりの行儀の悪い親父でとても気分が悪かった。
せっかくの桜も朝の冷え込みで霜に灼けて茶色くなっているところもありました。
4月6日の朝はこんな真冬のような冷え込みでした。
こちらは八重のシダレザクラです。まだ樹齢も若いので勢いを感じます。
馬場のソメイヨシノとシダレ桜です。
こちらはそのシダレ桜を下から撮ってみました。
こちらは手厚く保護されている「小諸八重紅枝垂」です。一段と色が濃くてきれいですね。
帰りにあまり寄ったことのない「二の丸跡」に登ってみました。ここのソメイヨシノは比較的、樹齢が若い気がします。桜の花の間から浅間山がちうどいい具合に入りました。
ここに寄ったのがとても幸運でした。元気に飛び回るタテハチョウの仲間を見つけました。この時期に飛んでいるのは越冬した個体に間違いありません。時々地面にとまるのですが人が多くてなかなか写真が撮れません。しかも2頭見つけました。
やっと撮ったのがこの画像です。「ヒオドシチョウ」でした。この日、地面を睨みつけてスマホをかまえているのは自分くらいのものでしょう。多分周りの人たちは変な親父だと思っていたに違いありません。
お土産屋さんに寄って買い物をして、久しぶりに「C56」の姿もゆっくり見てみました。こんな蒸気機関車が夜になって銀河に向かって出発して行ったらすごいですね。
「文化とふれあいの小径」を通て駅前に行ってアイスを買って「停車場ガーデン」でいただきました。
こちらは小諸駅から出て左手にあるとてもお洒落な庭園です。以前は交番にボウリング場やお土産屋さんに、当時は信越線の下をくぐって三ノ門に通じる地下道の手前には古くからやっているラーメン屋さんや居酒屋さんがあって、この店に行くと何とも落ち着く行きつけのマスターのお店もありました。「時代は変わった」と言えばそれで済んでしまいますがとても残念です。
そういえば信越線で最後の特急列車は「あさま38号」上野行きだったと思います。
職場の同い年の友達がこの日その列車に乗って上野まで行き、一部始終を動画に収めた画像を拝見して涙がでました。YouTubeで検索するにはそのまま「あさま38号上野行き」でいつでも見れますので興味のある方は是非見てみて下さい。
レンガ造りのかわいいこちらの建物は明治42年に建てられたもので、小諸駅の鉄道施設のランプに使用する灯油を貯蔵しておくのに使用した「油庫」という施設です。そのほかにも北國街道を行く大名たちが、この宿場で休んだり泊まったりした建物が忠実に再現されています。
アイスをいただいて駅前を通て駐車場に向かう途中、駅前で「一松」という看板を探しましたが見当たりませんでした。こちらこちらは大好きな焼き鳥やさんで、間口は狭いのですが小諸に飲みに来たときはこのお店からスタートすると決まっていました。
たぶん30年ほども前になると思いますが、高校時代の友達と待ち合わせをしていつもの様にこの焼き鳥屋さんで飲み始めた時ですが、仕事帰りのおじさんが隣に座ってお通しのキャベツの塩もみに焼酎を一杯飲みながら自分に話しかけてくれました。
小柄で愛嬌のある顔立ちの肉体労働者ふうのおじさんでした。自分たちはたぶん暑い日だったので生ビールをいただいていたのですが、このおじさん焼酎を美味しそうに飲みながら色々話しかけてくれて楽しかったのを覚えています。
自分たちが子どもの頃は、小諸といえばとても都会に行くことのような思い出がありました。懐古園の動物園に遊園地小さいころ連れて行ってもらった写真を今でも大切に持っています。
たぶん自分たちくらいの年代であれば覚えている方も多いと思いますが、小諸駅には大きなオレンジジュースの自動販売機があって、いちばん上にガラス製の大きなドーム型の容器が伏せたように取り付けてあります。その中心からオレンジジュースが噴水のように上に向かって吹き上げられていて、そのガラス製の容器の内側をきれいに流れ落ちているというものでした。その自動販売機を見るたびに、(こんな美味しそうなオレンジジュースがいつも造られているんだ)なんて考えていたのと同時に、あのオレンジジュースを一度飲んでみたいと思っていたものです。今は農産物の直売コーナーも設けられています。
小諸市は観光資源が豊富で、本町通も整備されてとてもいい雰囲気です。
島崎藤村の使ったという井戸も整備されていました。懐古園の桜に紅葉の時期に限らず、時間さえありましたら史跡をた訪ねてゆっくり歩いてみるのも楽しいと思います。