satoyamanekokunのブログ

猫たち、お酒、山に虫、神社仏閣、全くまとまりのないブログですいません。

死ぬまで山歩き(4)

 前回の山行は、天気は決して良くなかったのですが、とにかく久しぶりなので何とも楽しい一日でした。そして、はるか前から千曲川信濃川源流地標の上の、甲武信岳と反対の稜線の先の峰々に行ってみたいと思いました。

 毎回一緒に登ってもらっている友達と約束をして、楽しみに一週間がんばろうと思ったのですが、10月21日(水)朝起きると左の犬歯辺りの歯茎が痛くて、午後になると頬が腫れてきてしまいました。次の朝は更に左目も見えづらくなるほど、腫れあがっていました。仕事を休ませてもらって、いつも通っている歯医者さんに行きました。 こちらの歯医者さんは、もう二年以上通っているかかりつけ医さんです。

 麻酔して処置していただいて、痛み止めと化膿止めの薬を出していただいて、夜も痛くてほとんど眠れなかったので、午後は早速薬を飲んですっかり休んでしまいました。後日、金曜日はもちろん出勤して、食事は出来るだけ歯に負担のかからないものを食べるようにしました。化膿止めの薬も効いてこの日の午後にはだいぶ腫れも収まりました。

 そして、次の日はいつもの会社の友達と山に登る約束をしていたのですが、女房に「明日はおとなしく家にいるんだよ」と言われたが、約束は約束、自分は野山を駆け回るのは、疲れた体と精神に何よりの薬だと思っていますから、「明日は約束通り行く」と小さく答えました。

 川上村から金峰山、小川山の登山口のある廻り目平をめざしました。廻り目平に向かう道すがら素晴らしい景色が視界に飛び込んできました。はるか30年ほど前になりますが、前の会社の山仲間と金峰山に登った時もこの辺りで車を止めて写真を撮った覚えがあります。

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 広大な野菜畑から手が届きそうなところに、こんな景色があります。
 廻り目平に到着したかと思うと、いつの間にやら遮断機が設置されていて、整理券を取って駐車場に入るらしいのですが、なにやらシステムがよく分からないので、友達が車を降りて管理棟に聞きに行ってくれました。

 駐車場に入って無料券をいただいて、大弛峠の分岐点の駐車場まで戻って作戦会議、ここから金峰山か小川山をめざすのも一つの方法でしたが、都会の人ごみのようにキャンパーがいた、さっきの駐車場には戻りたくはなかった。今日は下調べも十分ではなかったので、かなり反省をしてしまいました。いっそのこと久しぶりに瑞牆山に登ってみようかとも思いました。

 相談の結果、大弛峠入り口の遮断機は上がっているので、とりあえず行けるところまで行って、後は自分たちの足で頑張ろうということになりました。向かうとすぐに見事な白樺林が広がっていました。

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 ここでも道草食って、車を降りて画像を撮りました。そして、ひたすら対向車にも人にも合うことなく、進むとメス鹿の後ろから、見事な角のオス鹿に行き会いました。

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 この後すぐに初めてオフロードバイクの方にすれ違いました。この先の状況を聞こうかと思って止まって手を挙げたのですが、すれ違いの挨拶だと思っていたようで、手を挙げて通り過ぎて行きました。

 ところどころ広い場所があるので、対向車が来てもすれ違いは十分できると思います。両側は手つかずの原生林にところどころ破損したままのガードレール、多少の違法行為をしているような感覚にもなりました。自分はこの辺りで車を置いて行きたいと友達に伝えました。広くなったところに車を置いて、支度をして歩き始めました。

 30分ほど歩いてから友達が、「まだ行けそうだね。行けるところまで車で行こうか?」ということで、車に戻って登山靴を履いたまま、また車で進みました。凹凸が激しいので出来るだけ車をバウンドさせないように、起伏に添うようにゆっくり進んで行きました。
 流石に、けっこうな悪路に差しかかると、上にピカピカの普通車が止まっていてドライバーは車を降りて下をのぞき込んでいました。自分たちに気がついて下ってきたので、止めて様子を聞くとここより上は、更に急坂になって無理だろうと伝えてくれました。

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 この辺りで車を置いて歩くことにしましたが、この後またオフロードバイクに何度か行き会いました。それでもかなり峠に近づいていたことが分かりました。多分1時間も歩かないうちに最初に目標地「大弛峠」に到着しました。

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 標高2360m 自動車で越えられる日本で最も標高の高い峠です。この峠を境に長野県と山梨県の県境になっているのですが、山梨県側はきれいに舗装されています。もし自分たちが山梨県側からこの峠を目指すのであれば、よほど早い時間に家を出るか、前泊しないと無理だと思います。
 ここは峠であって、更には東京都の最高峰 雲取山から甲武信岳、そして国師ヶ岳北奥千丈岳金峰山、小川山、更には瑞牆山へと向かう稜線でもあるのです。こちらのベンチで少し腹ごしらえをして、先を急ぎました。

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 階段が整っていましたが、昨日の雨で滑りやすいので注意して進みます。背後からいつも金峰山の五丈岩が見守ってくれているとうな気がしました。

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 遠くには北岳も顔を見せてくれました。

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 先週末の冷たい雨は、浅間山八ヶ岳でも初冠雪となりました。この辺りでも、やはり雪だったのでしょう。日陰には残雪が残っていました。そして、今朝も冷え込んだようで、お昼近くでも樹氷が付着していました。

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 そして、国師ヶ岳北奥千丈岳の分岐です。

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 一路、国師ヶ岳、に向かいました。

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 少々、北アルプスの玄関口、燕岳を思わせるような花崗岩の頂上ですが、鉄分が多いのかかなり褐色を帯びています。

 こちらからいよいよ、奥秩父の最高峰、北奥千丈岳に向かいました。森林限界に近いせいか、ハイマツとコケモモがきれいでした。

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 かわいい狛犬さんが奉納されていました。

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 標高は2601m 浅間山蓼科山より高い峰です。しばらくこの峰のパノラマに酔いしれました。

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 たぶん今日、長野県側からこの峰に登ったのは、自分たち2人だけだと思います。春日部市から朝5時に家を出て、一人で来たというご婦人とも行き会いました。自分たちが大弛峠を後にするのと同じころ、車に戻ったところでした。峠を下りながら右手を見ると、先月登った甲武信岳が見送ってくれているようでした。

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 一時はどうなることかと思った今日の山行ですが、何とか長野県側から大弛峠を越せることがわったことは大きな収穫といえます。インターネットばかりに頼っている今日ですが、この峠の長野県側の情報は少ないものでした。ただオフロードバイクで廻り目平の入り口から、大弛峠まで走破する動画がありましたので、通行止めではない程度の下調べで見切り発車したような気もしましたが、たまにはこの程度の冒険じみた経験があってもいいのでは、とも思いながら峠を後にしました。

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 行きがけに見つけたキノコですが、実は行きはこういう写真を撮ろうという余裕がないほど気持ちが焦っていたのが事実でした。天然のナメコかエノキダケかと思いましたが、近くで見るとヌメリスギタケでした。何れにしてもいつか登ってみたいと思っていたところに今日は登れました。明るいうちの帰れたことだし、いろいろなことに感謝して思い出にしたいと思いました。