今回は、農大時代の友達と浅間山の寄生火山と呼ばれる「石尊山」に登りました。寄生火山とはいっても、浅間山の様に火山活動はしていませんが、濁川の源泉は硫黄の臭いがしますから、只今、休止中といったところでしょか。御嶽山や白根山のような悲惨な火山災害を忘れないように、常にもしものことを考えて行動したいと思います。
正しい登山ルートは追分宿から歩き始めますが、1000メートル林道から登りましたので、少々ショートカットしたかな?みたいな雰囲気です。浅間山は何度か登っていましたので、こちらの「石尊山」もいつか登ってみたいと思っていました。
「濁川」沿いに進みますが、初冬のこの時期の林道は雑木の落ち葉がきれいに敷きつめられています。少しいただいて畑に入れてあげたいようです。
登山道沿いには色鮮やかなかわいい木の実がたくさん観察できます。
紫でまん丸の木の実は「ムラサキシキブ」でしょうか。
下向きに花を咲かせたようピンク色の実は「マユミ」でしょうか。
蔓にブドウの房のようになっている赤い実は「チョウセンゴミシ」です。滋養・咳止め・下痢など薬効成分も多いので、漢方薬にも使われていますが、果実酒にしてもきれいな色が出て美味しいです。何年かぶりで見かけたので二粒いただいてみましたが、「すっぱーい!」っていう感じでした。
ピンぼけ写真ばっかりですが、真っ赤な丸い実は「ウメモドキ」でしょうか。
ウコギ科の美味しい山菜「ハリギリ」の葉がたくさん落ちていました。近くにはその巨木がありましたが、その下にまだ緑の葉をつけた幼木もみつけました。何度か強い霜も降りていると思いますがよく耐えました。
作業用の林道と本来の登山道が所々交差しながら進みます。
そして、「濁川」の「血の滝」まで来ました。通称「浅間の焼石」がゴロゴロ転がっていますから、足元に注意しましょう。
ゆっくり眺めて写真も撮って先に進みますが、「血の滝」の上で濁川を渡りました。
傾斜が徐々にきつくなってきますが、「血の池」に着きました。表示があって、池の痕跡はありますが、実際にはこの黄土色の水が溜まっている訳ではありませんでした。
こちらには、祠があったのでしょうか。池があるものだとばかり思っていたので、川沿いに進むとなんと濁川の源泉がありました。特に案内表示もなかったので、これはとてもついていたといえます。下流では全く感じないのですが、本来、火山であった山から湧き出している源泉なので、硫黄の臭いがしっかりします。
湧き出したばかりはほとんど透明なのですが、しばらくすると源泉の中の鉄分が酸化して、直ぐにオレンジジュースのような色に変わります。
こちらは、「おはぐろ池」から流れてくるせせらぎですが、やはりほぼ同じような成分の水のようです。
この上に「おはぐろ池」がありました。
この池を見ていると背後に祠があることに気がついて、急いでお参りをしました。
お賽銭を入れて拝礼しようとしたその瞬間、そのまた背後の防災無線から正午の時報が鳴って、とても驚きました。そして、ここから更に勾配がきつくなります。
サルノコシカケの仲間でしょうか。沖縄の「サキシマスオウノキ」のような根を張ったコナラの木もありました。
雑木林の中を一気に上ると案内図のある稜線に出ました。
なだらかに下って、頂上まで一気に登ります。珍しい株立ちのダケカンバがありました。枝ぶりが見事です。
迫る浅間山を左手に見ながら、1667.7メートルの三角点に到着しました。
正確な三角点はこちらでしょうか。
恥ずかしいけど、今日も友達に写真を撮ってもらいました。
今日は天気が下り坂なので、あまり遠くの峰々は確認できませんが、目の前に迫る浅間山に妙義山や群馬県との境にある山々を見ながら、ゆっくりお昼をいただきました。
さて、名残惜しいけれども下山しましょう。友達もこの後予定があるということでしたので、戻る時間を決めておいて途中で引き返しても良いと思っていたにですが、今日は一日付き合ってもらいました。帰りはその昔、修行僧が座禅を組んだ場所「座禅屈」に立ち寄ります。この辺り一帯で修業を重ね、「血の滝」でも「禊」の修行をしては、この洞窟で禅を組んで修行をしたのだそうです。
そのまま作業道を下りました。途中、かわいい「カモシカ」に行き会いました。「カモシカ」も人を見ると興味津々です。
「勤労感謝の日」のNHKニュースでも紹介されていましたが、「日没の2時間前には登山口に戻る」「道に迷ったらもと来た道を戻る」ということが大事なのだそうです。そして、自分の経験から霧にまかれて方向が分からなくなったときは、とにかく動かないで霧の晴れるのを待つ、冷静になって今何処にいるか考える。コンパスを取り出して方向を把握する。とにかく冷静に立ち止まる。振り返る。考える。何だか人生の縮図のようです。
そして、今日も無事に下山出来ました。そして、ほんとうに楽しい一日でした。ありがとうございました。