あの街の思い出(7)シルクの都

 大型連休も後二日です。何と昨日も今日も霜が降りました。そんな訳で農作業が全く進んでいません。

今日は、岡谷市に行ってみました。4月から無料になった新和田トンネルを通りました。

 最初に向かったのは、「イルフ童画館」です。「イルフ」とは、「古い」(フルイ)の逆さ言葉で「新しい」という意味なのだそうです。ネーミングの洒落た感じがいいと思いませんか。

 
 岡谷市出身の童画家、武井武雄の童画の世界に浸れます。写真撮影ができるものと、写真撮影が禁止されている作品がありますので注意しましょう。

 ステンドグラスの部屋が素敵です。武井武雄はこんな書斎で童画を画いていたのでしょうか。

 「ラムラム王」と吹き抜けのモニュメントです。「ラムラム王」は武井武雄自身でもあるようです。

 別の展示室では、ポール・コックスの作品が特別展示されています。

 ゆっくり見学させていただいて、お昼は何にしようかということになったのですが、流石に連休中なので岡谷といえば「うなぎ」といいたいのですが、うなぎのお店も人気のお蕎麦屋さんも順番待ちでした。
 少々待ってもいつお昼をいただけるかもわからない様子でしたので、「すき家」でお昼をいただきました。

 上田が「蚕都」であれば、岡谷は「シルクの都」または「糸都」ともいわれるように、製糸業で栄えたところです。その当時の大切な文化遺産を訪ねることが出来ます。
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 行ってみたいところはたくさんありますが、時間も限られていますので回り切れなかったところはまたの機会にしましょう。


 こちらのレトロな建物は、「糸都」岡谷を代表する「旧山一林組製糸事務所・守衛所」で、現在は「岡谷絹工房」として中も見学できるのですが、この日は残念ながら休館日でした。岡谷の製糸業全盛期をしのぶ大切な文化遺産といえます。この建物自体が国の登録有形文化財に指定されています。

 敷地内にはお蚕さんを育てるための原点となる、桑の木が植えられていました。

 次に向かったのは、「岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかや」です。岡谷の製糸業は明治・大正・昭和にかけて飛躍的に発展し、日本の製糸業自体を牽引してきたということです。製糸業に必要な機械・器具・貴重な資料が展示されて、シルクの街 岡谷を今に伝える全国的にも珍しい博物館です。

 

 受付を終えると右手に、生きたお蚕さんが人工飼料を食べていました。以前日本で一般的に飼育されていた種類とは違いますので、ややグロテスクな感じがしました。そして、触ってもいいということですが手の消毒をしてくださいということです。夏の暑い時期、桑を食べているお蚕さんに触ると、冷たくて気持ちがいいんですが、小さい時期のお蚕さんは特にデリケートでカビや化学物質に弱いので注意しましょう。


 絹糸が製糸されるまでの工程に、蚕糸産業の歴史と国内外の出来事を掲載した年表に、製糸が盛んだった頃の岡谷の様子、女工さんたちの仕事と暮らしがパネルで紹介されています。

 そして時代ごとの煮繭器、製糸機などが保存状態も良く展示されています。

 明治時代の操糸機は、手造り感の漂う民芸品的な温かみを感じますが、大正、昭和と時代が進むにつれて寸分の狂いもない、大型精密機械のようです。

 こちらのコーナーには何とも懐かし蚕具が展示されています。農家の方でしたら見覚えのあるものばかりですが、すっかり姿を消してしまいました。

 こちらの蚕箔はにもいろいろなものを天日干しするのに、オフシーズン一も活躍していました。

 藁のゾクに回転ゾク、そして毛羽取り機も懐かしいですね。ゾクは地方によってマブシともコスとも言いますがゾクの草冠に族という漢字がパソコンでは出てきません。便利なようで融通の利かない世の中です。

 猫の掛け軸が展示されていました。ネズミは穀物だけでなく大切な絹糸をとる繭も食い荒らすので、猫は農家にとって大切な守り神のような存在だったのではないでしょうか。

 こちらのコーナーでは、天蚕というヤママユの糸取りをしている作業を見学できます。

 こちらの装置は繭検定用自動操糸機で、4項目の品質評価を行う計器が取り付けられた操糸機です。

 こちらのコーナーでは宮坂製糸所のシルク製品、シルクの石鹸、保湿ローションを実際に使わせていただきました。シルク石鹸で洗っただけでもて手がしっとりツルツルになりましたが、保湿ローションと併せて使うと更に効果が長持ちします。

 その隣では懐かしい繭が展示されています。「日本酒」ではなくて「日本種」の右下の品種「小石丸」という品種は、天皇陛下が飼育されている日本古来の品種だということでした。受付の右手で飼育されていた3種類のうちの一つが「小石丸」でしたね。

 黄繭種やヤママユなどの珍しい繭も展示されています。

 遺伝子組み換えにより、光る絹糸がつくられるということです。

 衣料品以外のインテリア用品にも絹糸を使う試みがされています。こちらのスタンドの傘の部分は接着剤を使用しないで、絹糸だけで作られているということです。何とも温かみのある明るさが落ち着きます。
 様々な分野でまたまた絹糸が使われて、この日本でも再び養蚕が盛んに行われるようになったら何と嬉しいことでしょうか。

 こちらの宮坂製糸所の生糸出荷ラベルに使用している商標はこの「おかめ」の面のデザインだということです。

 ファクトリーショップにはお洒落な絹製品がたくさんありました。

 歴史的にも貴重な資料を見学させていただきましたが、この資料の数々はこ方、片倉兼太郎氏の力なくしては語れないと思います。

 敷地内のあちらこちらに桑の木が大切に植えられています。苗木の販売もされていました。

 ゆっくり見学させていただいて湖畔公園に向かいました。

 「琵琶湖周航の歌」の創作者、小口太郎氏のブロンズ像と歌碑がありました。この方もここ岡谷市の出身だったのですね。

 そして最後に「釜口水門」に来ました。対岸の公園内も散策したかったのですが、みんな冷たいのもが飲みたいというので、またの機会にしてコンビニを探しました。諏訪・岡谷は今年は御柱がありますので活気があっていいですね。また繊維が盛んな頃には人も多く更に活気があったのではないでしょうか。まだ行ってみたいところもたくさんありましたが、またの機会を楽しみにしましょう。