satoyamanekokunのブログ

猫たち、お酒、山に虫、神社仏閣、全くまとまりのないブログですいません。

あの街の思い出「10」鬼無里

 

 

毎年楽しみにしているGWですが、子供たちも現地でアルバイトがあったり、たまに帰ると地元の友達とも約束があったりで、なかなか家族みんな揃うこと少なくなってきました。

 

5月3日天気も良さそうです。家族4人で長野市 鬼無里に行ってきました。天気が良くて本当に良かったと思います。戸隠に通じる「大望峠」から眼下に広がる鬼無里の集落に、後立山連峰、一夜山、西岳連峰(戸隠)は素晴らしいです。

 

 

 

左手、一夜山から戸隠連山へと続きます。

 

鬼無里のほぼ中央にある一夜山、鬼無里は昔、「水無瀬の里」と呼ばれていました。天武天皇がこの地に都を移す計画を耳にした鬼たちが、一夜にして村の真ん中に作った山だということです。

 

一夜山の奥に見える後立山連峰は、画像中央付近に唐松岳が確認できます。その左に五竜岳鹿島槍ヶ岳爺ヶ岳が確認できます。あの辺りを歩いたのは、かれこれ30年以上も前になります。

 

 

 

 

最初に行ったのが松巖寺です。悲しい最期を遂げた「鬼女紅葉」の暮らしていた洞窟にあった守護仏である地蔵尊を祀ったお堂と、紅葉とその家臣のお墓がこの場所に建立したのが松巖寺の始まりだということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本堂の脇にあるかわいい「貴女紅葉」

 

その裏はちょっと怖い「鬼女紅葉」

 

 

 

「鬼女紅葉」のお墓です。「釜岩紅葉大禅定尼位」という戒名で手厚く葬られて、今なお村人たちからは愛されているのではないでしょうか。

 



 

 

何とも、愛嬌いっぱいの石仏さんたちです。

 

 

 

鬼無里ふるさと資料館に4基保管されている屋台の内、いちばん大きい屋台が今日4年ぶりに引かれるということです。「一木彫り」に「透かし彫り」という技法を用いた彫刻はそれは見事です。

 

 

神事を終えて松巖寺から鬼無里神社まで屋台が引かれて行きます。

 

そば処に農産物直売所、おやきの有名なお店などがある鬼無里「旅の駅」です。今日はとても賑わっていました。

 

楽しみのお昼は、鬼無里「旅の駅」にある「そば処鬼無里」でいただきました。何とそば粉だけの「十割そば」です。太くてしっかりこしがあって美味しかったです。みんなで蕎麦団子もいただきました。蕎麦以外にも奥裾花ダムに因んだ「ダムカレー」も人気だそうです。

 

何だか遠出すると決まってお昼は蕎麦って感じですが、「信濃では月と仏とおらがそば」というくらいですから、特に北信地方に来た時くらいは蕎麦食べたいですよね。

 

有名なこの句は小林一茶の句だと思っていたのですが、どうやらそうではないらしいです。「田毎の月」で有名な千曲市 姨捨に長楽寺というお寺がありますが、この寺に「信濃では月と仏とおらがそば 一茶」と彫られた句碑があって、現在は近くの公園に移設されているということです。

 

一茶の有名な句は「そば時や月のしなのの善光寺」と詠まれた句です。それでは、この句はだれが詠んだ句かということになりますが、一茶同好会の代表だった、中村六郎という方がいました。一茶ゆかりの地、信濃町 柏原の旧本陣中村家の出身で、中村家は「氷そば」といって、そばを寒中に凍らせたものを売り出していたので、この宣伝を兼ねて中村氏がこの句を世に広めたというのが本当のようです。

 

 

 

 

鬼無里ふるさと資料館」は娘と二人で見学しましたが、展示されている資料も多くて、中はとにかく広いです。

 

4基の屋台が展示されている部屋から順に回って行きます。

 

 

麻に林業そして、蚕業が鬼無里の人たちの生活の糧となっていたようです。

 

 

 

 

こんな立派な炭焼き窯を使っていたんですね。

 

見覚えのある蚕具も大切に保管されています。

下駄スケートというのはありましたが、こちらは下駄スキーでしょうか。

 

 

遺跡もたくさんあります。

 

今から1000万年前~170万年前に堆積した海の底だった時代の地層から、様々な地層が露出した場所が多くみられるため、地質学的にも貴重な地域といえます。時間さえあれば、ハンマー片手に一か月ほど滞在したいほどです。

 

サンドパイプとは生痕化石のことですね。

 

 

 

 

ステゴドンゾウの奥歯の化石です。ゾウ目 ステゴドン科のゾウの総称で、日本固有のアケボノゾウにミエゾウなどの種があるということです。

 

 

 

 

 

 

多くの貝類の化石に、広葉樹の葉の化石、クジラの骨の化石に魚類の化石、海の底だった時代の海洋生物から陸地になった時代の化石、気の遠くなるほど長い時間の流れの中で形成された貴重な標本といえます。

 

大事なことですが、この資料館は受付の職員さんに最初に確認しましたが、写真は自由に撮ってもらって構いませんということでした。

 

 

 

 

 

娘と資料館を出ると女房と息子は待ちくたびれていましたが、「いろは堂」でみんな好きな「おやき」を買ってもらいました。

 

 

 

周りはモッチモチ、フワフワで中身たっぷりでとにかく美味しかったです。

 

最後に寄ったのが、野生酵母パンのお店「ソノマノ」でパンを買って帰りました。

 

パン屋さんから地元の山の稜線の間に、白馬三山と天狗の頭、天狗の大下り、不帰ノ嶮がすっぽり入っていました。このお店の特権ともいえる絶景です。道が狭かったので下の農家におばちゃんがいたので、「車を回らせてもらっていいですか?」と聞いたら「ここはどこでもいいだよ。気をつけてって。」と声をかけてもらって、庭先を借りて車を回らせてもらいました。

 

鬼無里は自然が豊かで、とても長閑な良いところです。松巖寺の駐車場から見た鬼無里小中学校です。こんな素晴らしい環境で育つ子供たちはとても幸せだと思います。

 

鬼無里というと、「奥裾花自然園」に「奥裾花渓谷」にも行ってみたかったのですが、一日であまり欲張っても無理ですから、またの機会を楽しみにおみやげに買った純米酒水芭蕉」をいただきながら、鬼無里の思い出に浸りましょう。