死ぬまで山歩き(7)

 7月16日(金)関東甲信地方でも梅雨明けしました。去年より約2週間早く梅雨明けとなりました。

 梅雨明け後の1週間は夏山シーズンでは最高のコンディションです。太平洋高気圧の勢力が強くて、上空に寒気が入ることもなく夕立の心配もありません。案の定、毎日降っていた雨はピタリと降る気配もなく、今までぬかるんで困っていた畑は、今度はカチカチに乾いて地割れしています。

 待ちに待った梅雨明けなので、山に出かけたいと思うのですが、ここのところ残業続きで少し疲れ気味です。そんな訳でこの日は、ひたすらピークを目指すというのではなくて、この時期のチョウや花を見ながらゆくっり歩きたいと思いました。

 そして、行先は「池の平湿原」に決めました。ノハナショウブアカバシモツケソウ、ウツボグサ、クルマユリなどが咲いている光景を想像して行ったのですが、まだまだ時期が早かったようです。

 

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 朝晩はまだひんやりする日もあるので、これだけ高いと更にひんやりというより寒いくらいだと思います。それでも足元をよく見ると色々な花たちを見つけられます。

 こちらはシソのような、ハッカのような清涼な香りを持つイブキジャコウソウです。背が低いので踏みつけないように注意して歩きましょう。

 

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 下界ではすっかり時期が過ぎたアヤメが、こちらではまだたくさん咲いています。

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 コバイケイソウはあとわずかといったところでしょうか。
 

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 黄色い花のマルバダケブキもこれからといったところです。

 

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 カラマツソウはちょうどタイミングよく見ることができました。

 

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 ウスユキソウも一番きれいなときだったようです。それにしてもその名の通り峰が薄っすらと雪化粧したようなかわいい花です。

 

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 こちらはヤナギランでしょうか。やはり花はもう少し先のようです。

 

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 木道を2回目、右に曲がったところで南に視界が開けます。案内表示に「放開口」と書かれていました。佐久平方面に視界が開けます。

 

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 今日は、富士山も見えています。


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 八ヶ岳から北八の蓼科山までの中ほどの鞍部が麦草峠だと思いますが、その奥に見えているピークはどこでしょうか。方角的にはおそらく中央アルプスだと思いますが、空木岳木曽駒ケ岳あたりでしょうか。

 

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 木道を歩き始めてしばらくすると、ヒオドシチョウに行き会ったのですが、今日はハイカーたちが多いせいかなかなか容易には近づけなくて、残念ながら写真は撮れませんでした。

 

 結構な時間ここでの景色を眺めていると、鮮やかな黄色い蝶が視界に入りました。そして羽にはモンキチョウよりはっきりとした黒い縁どりが確認できます。「ミヤマモンキチョウ」です。2頭飛んでいるのを確認しましたが、やはりこちらも写真は撮れませんでした。

 

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 木道から三方ヶ峰に向かうとすぐ左手に、蕾をつけたクルマユリを一株見つけましたがもうすぐ咲きそうです。

 

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 こちらはちょうど見頃です。時期と色合いからしハクサンシャクナゲでしょうかね。

 

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 時々、ポツンと咲いているこちらはハクサンフウロですかね。アサマフウロは時期的にもう少し遅くて色も濃いと思います。

 

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 もう少しで三方が峰、足元を注意して見ると咲いていました。ウツボグサです。

ウツボグサ、タテヤマウツボグサ・・・。見分けが難しいですが、葉の大きさや花の大きさ、紫色の濃淡からウツボグサだと思います。

 

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 三方ヶ峰に着くと上田方面にも視界が開けます。

 

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 ここはコマクサが手厚く保護されていますので、時期を外さなければかわいい花を見ることができます。遥か前の話ですが、北アルプス蓮華岳針ノ木岳でもたくさんのコマクサを見ました。針ノ木岳付近では白い花の株も見ることが出来ました。

 

 泊まった針ノ木小屋はもちろん有名な百瀬慎太郎が開いた山小屋ですが、泊まらせていただいた日、ご主人に「百瀬慎太郎さんの血筋の方ですか」と尋ねたところ、「はい、孫にあたります」と聞いて大変驚きました。「今日はすごいお方に行き会いました。」と言うと、「全然すごくはないんですが」と謙遜しておられました。

 

 久しぶりに有名な句を思い出しました。

      「山を想えば人恋し 人を想えば山恋し」 百瀬慎太郎

 

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 こちらはもうじき咲きそうですが、ミヤマアキノキリンソウだと思います。

 

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  ニンジンのような葉が特徴的なので、花が咲いていなくても見つけやすいですが真ん中の蕾はしっかり膨らんで来る時期に準備をしています。こちらはマツムシソウです。もうすぐ淡い薄紫の花が見られると思います。

 

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 まだお昼には早いしこれからどっちに行こうか?見晴岳方面は樹林帯に入ってしまうので、蝶に行き会う確率はかなり低くなると思います。湿原に戻って木道を一周したところでお昼にしようと思ったのですが、反対方向から来た体格の良い若い男の子が立派な望遠レンズの付いた一眼レフを下げて近づいて来ました。

 すると突然、何の気兼ねもなく「すぐそこにチドリが咲いていました」と言って、カメラの液晶画面を見せてくれたのですが、流石に裸眼では何が何だかさっぱりわからないので、「ハクサンチドリですか?テガタチドリですか」と聞きながらリュックからメガネを取り出して見せていただきました。花弁の形と色合いから判断して「テガタチドリですかね」と答えしました。

 蝶の話をしてみると「ミヤマモンキチョウ」や「ヒオドシチョウ」も見つけたということでした。この見事な望遠レンズを拝見すると、何枚かきれいな画像が納められていることだと思います。それにしても、こんな若い人たちと蝶や花の話が通じたことが嬉しく思いました。

 そしてこの後、ミヤマシロチョウを撮りに湯ノ丸方面に向かうということでした。

 自分もまだ時間も早いので、ハナアブと遊びながらゆっくりお昼をいただいて、湯ノ丸の臼窪湿原に行くことにしました。

 

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 駐車場に下る石段の脇にテガタチドリが咲いていました。葉が全部途中から切れていますが、これはどうしたのでしょう。何かに食べられてしっまったのでしょうか?

 

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 湯ノ丸に向かう道すがら、林道脇にヤマオダマキが所々きれいに咲いていました。カラマツソウにオダマキの仲間は共にキンポウゲ科だということですが、あの黄色い梅の花のような形をした花とはほど遠いように思いますが、葉の形は僅かに共通点があるように思います。

 

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 スキー場の開けてところから、先月登った湯ノ丸がきれいに見えました。

 

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 臼窪湿原手前のキャンプ場の草地にはかわいいウツボグサが盛りでした。池の平湿原では咲き始めでしたが、わずかの標高差で花の時期がかなり違うようです。

 

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 臼窪湿原ではアヤメが真っ盛りでした。どちらの湿原も一週間と言えづ次々と色々な花が咲き始めると思います。これだけたくさんの山野草高山植物が日を追うごとに見られる場所は貴重です。自分たち一人一人が環境を大切にして後世に末永く残してあげたい大切な遺産と言えるような気がします。

 

 そして、遅ればせながらこの記事を作成している今日は、一緒に登りたいという職場のお仲間も増えて山行の筈でしたが、台風10号が近づいていますので相談の結果、急遽中止にしました。天気が下り坂という予報を知って、強行して何かあってからでは遅いので、正しい判断だったと思います。おかげで午前中は気になっていた畑の草を片付けることも出来ました。また次回を楽しみに皆さんで計画を立てましょう。